腰部脊柱管狭窄症の症状を改善させるためのポイント

こんにちは、GENRYUです(^^)
前回に引き続き、今回は実践編という形で
後縦靭帯骨化症の症状を緩和するストレッチ方法をご紹介していきます。
まず、始める前に重要な点を改めて強調させていただきます。
「大前提」
・個々の症状や骨化の程度、進行状況によって、適切な運動療法は異なります。
・痛みや違和感が生じたら、無理せず直ちに中止し、医師に相談してください。
・自己判断によるストレッチや体操は、症状を悪化させる危険性があります。
「医学的データ・ガイドラインにおけるOPLLの運動療法の位置づけ」
日本整形外科学会「後縦靱帯骨化症診療ガイドライン2019」
保存療法(手術以外の治療法)として、薬物療法、装具療法、運動療法、
物理療法などが挙げられています。
運動療法については、可動域訓練、筋力増強訓練、姿勢指導などがあると記載されていますが、
具体的な方法についての詳細な記述は限定的です。
ガイドラインでは、運動療法の有効性を明確に示す十分なエビデンスはまだないことが示唆されています。
「その他の医学論文・研究」
OPLLに対する運動療法の効果を検討した研究はいくつか存在しますが、
研究数や症例数は少なく、結果も一貫していません。
多くの研究で、運動療法は症状の改善やQOL(生活の質)の向上に
一定の効果がある可能性が示唆されていますが、長期的な効果や、
骨化の進行を抑制する効果については、まだ明確な結論は出ていません。
過度な運動は症状を悪化させるリスクがあるため、注意が必要であることが報告されています。
上記の点を考慮し、現時点で比較的安全かつ効果が期待できると考えられるストレッチや体操を
ご紹介します。
目的:
* 頸椎・胸椎・肩甲骨周囲の関節可動域の維持・改善
* 筋緊張の緩和
* 姿勢の改善
* 疼痛緩和
* 日常生活動作(ADL)の維持・改善
* QOL(生活の質)の向上
「後縦靭帯骨化症に対するストレッチ」
以下の運動を「痛みや違和感のない範囲」で、ゆっくりと呼吸を止めず、
反動をつけずに行ってください。
各運動は1回10〜30秒、1日2〜3回を目安とします。
1. 頸椎の前屈・側屈(横に倒す)・回旋(横にねじる)運動(頸椎の可動域維持・改善)
①前屈
椅子に座るか、まっすぐに立ち、ゆっくりと顎を胸に近づけるように頭を前に倒します。
②側屈
ゆっくりと頭を右(左)に倒し、右(左)耳を右(左)肩に近づけます。
③回旋
ゆっくりと頭を右(左)に回し、顎を右(左)肩に近づけます。
注意:後屈は避け、特に前屈では顎を引き、頭が倒れ過ぎないように注意しましょう。
2. 肩甲骨の挙上・下制(下に下げる)・内転(内側に動かす)・外転(外側に動かす)運動
(肩甲骨の可動域維持・改善)
①挙上
両肩をすくめるように持ち上げます。
②下制
両肩を下に引き下げます。
③内転
両手を後ろで組み、手のひらを外側に向け、肩甲骨を中央に寄せるように胸を軽く張ります。
④外転肘を伸ばしたまま、腕を横から上に挙げていきます。
3.胸鎖乳突筋ストレッチ(頸部側面の筋緊張緩和)
①椅子に座るか、まっすぐに立ちます。
②頭を右に倒し、左手で頭の右側を軽く押さえストレッチします。
③反対側も同様に行います。
4.背骨ストレッチ(背骨の筋緊張緩和)
①椅子に座ります。
②背骨を軽く左に倒し、左にねじります。
痛みがないのを確認後、そこからもう一度背骨を軽く左に倒し、左にねじります。
痛みがなければ、さらに背骨を左に軽く倒し、左にねじります。
その状態で30秒キープし、ゆっくり元に戻します。
③反対側も同様に行います。
5. 骨盤傾斜運動(骨盤周囲の可動域維持・改善)
①仰向けに寝て、両膝を立てます。
②息を吐きながら、腰を床に押し付けるように骨盤を後ろに傾けます(後傾)。
③その状態で30秒キープし、ゆっくり元に戻します。
6. 股関節屈曲ストレッチ(股関節、骨盤、腰椎の可動域向上)
①仰向けに寝て、両膝を立てます。
②両手で両膝を抱え、胸に引き寄せます。この時、骨盤と腰骨も丸くし、
腰骨が床に押し付けるようにしていきます。
③その状態で30秒キープし、ゆっくり元に戻します。
注意:腰が反らないようにしてください。
「避けるべき運動」
* 頸椎を大きく後屈させる運動
* 頸椎に強い衝撃や負荷がかかる運動(例:コンタクトスポーツ、首ブリッジなど)
* 胸椎を過度に伸展させる運動(例:ヨガのコブラのポーズなど、医師と相談の上判断)
* 重量物を持ち上げるような、脊椎に大きな負担がかかる運動
「まとめ」
現時点での医学的データやガイドラインを考慮すると、
OPLLに対する運動療法は、症状緩和やQOL向上に一定の効果が期待できる可能性がありますが、
その効果は限定的であり、過度な運動は逆効果となるリスクもあります。
したがって「運動療法」を行う際は、必ず事前に主治医もしくは専門家に相談し、
個々の状態に合わせた適切な指導を受けることが極めて重要です。
専門家の指導のもと、安全に配慮しながら、無理なく継続的に行うことが大切です。
この情報が、OPLLの理解と適切な運動療法の実践に役立つことを願っています(๑•̀ㅁ•́๑)✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)



