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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

心理アセスメントにあたっての基本的な情報の収集方法

2019年2月20日 公開 / 2019年3月18日更新

テーマ:公認心理師試験対策

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

北海道試験の問13
心理アセスメントにあたっての基本的な情報の収集方法として、最も適切なものをつ選べ。
という問題が出ました。選択肢は、

① ワンウェイミラーの行動観察はアセスメントに必要である。
② 生育歴の聴取はアセスメントの基本となるため、初回面接で行う。
③ 心理検査は一定の状況設定で行うため、得られた情報は客観的で信頼できる。
④ アセスメントは面接でクライエントのニーズや来談経緯を聞くことから始まる。
⑤ 家族関係把握のためのジェノグラム作成には動的家族画や合同家族画が役立つ。

正解は④となっています。これは日本語をよく見ることも必要な問題です。問題のポイントは「基本的な情報収集方法」でしょうから、それに該当しないものは除外できます。

① ワンウェイミラーの行動観察はアセスメントに必要である。
ワンウェイミラーは行動観察室にある、要するに一方向からの鏡でその裏から行動が観察できるマジックミラーですが、研究法としての情報収集として言及されることが通常です。
② 生育歴の聴取はアセスメントの基本となるため、初回面接で行う。
これは日本語力では解けませんので、知識を要する問題です。「初回面接」でそれを聞くかどうかを知っていれば解けますし、知らなければ解けません。ただし、何をもって、どこまでを初回面接とするのか、と考えてしまうと、ちょっと困ってしまいます。ここでは
「基本情報の収集の手順としては、一般にクライエントの“主訴”と“来談の経緯”から入って現在の心配事を中心に情報を集めていき、次にクライエントを取りまく環境や過去の出来事の検討に移していきます。つまり、クライエントが困難と感じていることがどういったものであり、なぜ今助力を求めてきたのかを最初に訊いていきます。」(下山晴彦 2008 臨床心理アセスメント入門-臨床心理学は、どのように問題を把握するか pp.173-174 金剛出版)
この情報に沿えば、正答ではないということになります。
③ 心理検査は一定の状況設定で行うため、得られた情報は客観的で信頼できる。
これは論外でよろしいかと思われます。
④ アセスメントは面接でクライエントのニーズや来談経緯を聞くことから始まる。
これも上記②の情報で見ると、こちらが正答になります。
⑤ 家族関係把握のためのジェノグラム作成には動的家族画や合同家族画が役立つ。
動的家族画は、今年の研究計画で使った人がいましたが、「基本的な情報収集」という点で、必ずしもそうとは言えません。何をもって基本的情報とするからは、やはり②④からの選択となり、④が正解となります。


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