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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

失敗に学ぶ-成功体験はあてにならない

2015年4月2日

テーマ:勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

書店に行くと、よく「●●だけが知っているたった△個のコツ」といったフレーズを見ます。
しかし、私はこういった本はあまり推奨していません。このような本は、基本的に
成功体験について書いています。「これだけやっていれば成功するコツ」を
コンパクトに書いていると言えます。もちろん、それはそれで、一定の真理はあると
思うのですが、普遍性が高いかと言われると、そうではないと思います。
例えば、ダイエットは永遠のテーマですが、ダイエット方法について、様々な方法が
確立されています。しかし、普遍的に全員に適合するダイエット方法がないということも
同時にわかります。また、かなり効果があると言われている糖質制限や脂肪制限も
どちらが正しいとは言えず、効果性も持続性も同じくらいであり、最大5年くらいなのだそうです。

要は、大切なのは、成功体験後なのです。昔、星新一の小説に「未来いそっぷ」
というものがあって、その中のひとつ「シンデレラ王妃の幸福な生活」は、私には
衝撃でした。だいたいサクセスストーリーというのは、成功で終わって、あとは
「末永く暮らしましたとさ」で終わるものですが、その先を考えるのは、タブーだと
何となく(小学生でしたし)考えていました。
しかし、サクセスのあとに来るのは、必ず「現実」です。王子様やお姫様と結婚しても
必ず現実が待っており、その現実の成功を、過去の成功は保証してくれないのです。
場合によっては、その成功がかせになってしまうこともあります。

私はかつて陸上競技で高校に行きました。中学の時の成績が評価されてのことと
思いますが、高校では見事失敗しました。中学の時の成功体験にすがったことが
失敗の要因だと思います。(大した成功でもなかったのに)
当時、「自分のやり方」にこだわって、あまり他人の話を聞かなかったと思います。
「自分はできる」「言われなくてもわかっている」
「中学の時に勝っていた奴に負けるなんてありえない」
当時、私の頭の中はこういったフレーズがぐるぐるしていたと思います。

これは、自分が失敗していることに気づかないから起こる現象です。
自分が失敗しているということに気づかないか、あるいは、何となく気づいていても、
そこから目を背けてしまい、成功だけを追いかけてしまうパターンです。
そしてこのパターンはさらなる失敗を呼び込みます。
典型的なのが、先述のダイエットで、大して成果も出ていない段階で
「一週間頑張ったし、今日はご褒美」
などと言って、余分に(ケーキなど)食べてしまうと、失敗を失敗とも
思わなくなってしまい、目的さえ不明確になってしまいます。
その意味で、失敗を認めることは必須です。そして、その失敗の原因をよく分析し、
次に同じ失敗を繰り返さないようにするか、あるいは、同じ失敗をしたとしても
再チャレンジするか、あるいは、新しいことをするかは選択になります。
いずれにしても教材は失敗の中にこそあると言えるのです。

何かしら、体験談などが書いている本から学びを得ようとする場合、
失敗を分析して、その後が明確に書いてあり、さらにそれが成功に導いたことが
書いてある本はおすすめということになります。


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