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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

一流講師?

2012年5月18日

テーマ:失敗しない心理系大学院予備校の選び方

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

最近よく目につくのですが、塾や予備校のキャッチフレーズに
「一流講師」
なる文言があります。
私に言わせれば
「なんじゃ、それは?」
です。冷静に考えれば意味不明です。
例えば大学に一流の教授という人はいると思います。
これはこれで漠然としていますが。

もちろんどこからどこが一流で、その次が二流でその次が三流
という尺度もありません。それでも大学教授の場合、例えば
ノーベル賞を取った人ならば、その人を「二流」という人はいないでしょう。
要は会ったこともない人まで含めた周囲が認めれば一流と言えなくはないでしょう。

その観点からすると、塾や予備校の講師で「一流」とは何でしょうか?
私の結論は、
「そんなもんあるわけない」
です。
私自身このコラムでも書きましたが、良い講師と悪い講師の
基準はあります。しかし、この業界で、ノーベル賞に匹敵するような
賞などありませんし、どこからどこが一流かなどを判断する基準など
存在しません。この「何となく用語」は危険ですので要注意です。

冷静に考えると、塾や予備校が一流だの二流だのを云々すること自体
ちゃんちゃらおかしな話です。私たちは、ただただ自分たちを
選んで来てくれた生徒が、進んだ先で十分にやっていけるだけの
力を身に付けてもらい、そうすることで合格してもらうことが
仕事です。そこに中途半端に一流面した人間がいても
何の役に立つのかわかりません。仮に大手大学受験予備校で
十年以上のキャリアがあり、そこで一流と呼ばれた人が
いたとしても、当塾では使えるかどうかはわかりません。
そんなキャリアがあっても人間性に問題があれば使えません。

「自称一流」を名乗っている予備校や塾の講師がいるなら、
是非その根拠を聞いてください。「たくさんの人数を合格させたから」
というならば、それは根拠になりません。合格は、仮に世界で一番授業が
上手な講師がいたとしても、その講師が合格させられるわけではありません。
良い塾や予備校の基準は、スタッフ一堂で全員の生徒の合格とその後の人生を
考えた戦略を常にうっているかどうかです。
例えば箱根駅伝にしても、高校野球にしても、選手よりスタッフや裏方の方が
多く、作戦、育成を日々話し合って、戦力を作り上げているのです。
講師一人でどうにかなるものではありません。
京都コムニタスでは当然塾長の私も一講師として授業をしています。
むしろ私が一番多く授業をしています。それでも私の授業だけで合格するのではなく、
授業外での打ち合わせや指導、スタッフ全員の情報共有など、
塾の総合力で人材作りをしています。スポーツのコーチで、
週一回一時間しか指導しない人を一流コーチと言うでしょうか?
スタッフ一堂でチームを何度も優勝に導いたと衆目の一致した人が
初めて一流と呼ばれるでしょう。講師一人で一流など寝言なのです。
一流を名乗るからには、二流、三流の定義も知っていなければ
なりませんが、結局のところ、どれも特に存在しません。
あまり「なんとなく一流」を前面に宣伝するのは、良い方法ではないでしょう。


大学院・大学編入受験専門塾 京都コムニタス
http://www.kyoto-com.net/
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