就業規則 モデル 中小企業の就業規則の特徴 【知らないと損する就業規則のイロハ】 その13
労働契約法9条では、「使用者は、労働者と合意することなく、
就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働
契約の内容である労働条件を変更することはできない」と
規定しています。
まずこれが大原則ですが、それでは就業規則を変更できなく
なってしまいます。一方的に就業規則を変更した際にそれが
有効になるためには合理性があり、周知されていれば
いいということが過去の裁判例からもあきらかになっています。
その合理性の判断要素は
(1)就業規則の不利益変更によって従業員の被る不利益の程度
(2)企業側の変更の必要性の内容・程度
(3)変更後の就業規則の内容自体の相当性
(4)代償措置その他の関連する他の労働条件の改善状況
(5)多数労働組合又は多数従業員との交渉経緯
(6)他の労働組合又は他の従業員の対応
(7)不利益変更内容に関する同業他社の状況
の7つを総合的に判断することになっています。
特に変更する理由、受けるべき不利益の程度はわかりやすい
し、タイミング的にみても対象となる労働者もいて、それは
問題があると思ったらそれは不利益変更に合理性は
ないといわれる可能性が高いといえます。
労働契約法では10条でそのあたりをまとめて
おります。
参考までに
労働契約法 第10条
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。