違法な長時間残業と判断 厚労省が初めて企業名公表
このたび自殺した原因が、過労に対する配慮を怠ったためとして、自動車メーカーを相手として損害賠償を求めていた訴訟の結果がでました。
6400万円という比較的高額の支払いの決定は今後の他の訴訟にも大きな影響を与えることと思います。
このような過労が原因の自殺は、中小企業でも起こりうる話ですし、実際に表に出ないだけでいくつかの事例はあると思います。
このようなことにならないように、企業としてできることから1つ1つ対応していきたいところです。
それでは詳細は下記より御確認ください。
2月28日 産経新聞
大手自動車メーカー「マツダ」(本社・広島県府中町)の元社員だった兵庫県出身の男性=当時(25)=が自殺したのは、同社が過労に対する配慮を怠ったためとして両親が同社に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁姫路支部であった。
中村隆次裁判長は「質的、量的に過剰な労働で、自殺は業務に起因する。一方で上司の適切なサポートもなく、同社は安全配慮義務を怠った」として過労自殺と認め、約6400万円の支払いを命じた。
判決などによると、男性は入社3年目だった平成18年、それまでベテラン社員が担当していた部門に配置換えとなり、時間外労働が増え、自殺する1、2カ月前は月80時間超の時間外労働があったほか、取引先とのトラブルが起こり、自宅でも業務を余儀なくされるなどした。男性は鬱病を発症、19年4月、社宅の自室で首つり自殺した。
広島中央労働基準監督署は、21年1月に労災と認定しているが、裁判でマツダ側は「過重労働はなく、上司もサポートしていた」などとして争っていた。
判決後に会見した男性の父親(63)は「勝訴の判決を受けても息子は帰ってこない。マツダは判決を真摯(しんし)に受け止めて謝罪し、二度と不幸な社員や家族をつくらないようにしてほしい」と述べた。
マツダは「改めてご遺族に対し、哀悼の意を表します。判決理由の詳細は分かりませんが、当社の主張が一部しか認められなかったことは残念です」とのコメントを出した。
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