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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

公認心理師試験を始めて受ける人は公認心理師法から勉強を始めてみましょう

2020年6月27日

テーマ:公認心理師試験対策

コラムカテゴリ:スクール・習い事

公認心理師試験をはじめて受ける方から時々質問をいただくのは「どこから勉強を始めるのがいいですか?」というものです。第3回公認心理師試験を受ける人は、主にDルートかGルートからの受験になります。両者で異なるのは、心理学の知識が臨床心理士指定大学院に関わった人の方が豊富にあるということです。一方、共通するのは、「公認心理師法」関連の知識はDもGも最初は全くないということです。そこで私の回答としては、最初は公認心理師法関連の問題を解きながら、勉強に着手していくことが妥当ではないか、となります。

公認心理師試験において、公認心理師法はブループリントによれば、① 公認心理師としての職責の自覚② 問題解決能力と生涯学習 ③ 多職種連携・地域連携とあり、①から③で9%となっています。15問前後でしょうか。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。

→ポイントは「国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする」という箇所でしょう。細かく言えば、心の健康と保持増進でしょう。「心身の・・」ではないということです。

(定義)
第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

→ポイントは「登録制」であること、名称独占であること(業務独占ではない)です。名称については、「第四十四条 (名称の使用制限)公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない」とあります。
→「保健医療、福祉、教育その他の分野において」の最初の3分野は迷うと間違えそうです。その他とは、教育カリキュラムには「司法・犯罪」「産業・労働」がありますので、これにて5分野となります。

業務には関しては、以下の条文になります。

 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。


重要ワードは「心理状態を観察」「結果を分析」「相談」「助言」「指導」「心理に関する支援を要する者の関係者」「教育」「その他情報提供」
間違いやすいワードとして、「診断」が入っていたら不適切です。「研究」をするように、とも書いてありません。

→これらもカリキュラムにそえば、「心理的アセスメントに関する理論と実践」「心理支援に関する理論と実践」「家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践」「心の健康教育に関する理論と実践」とありますので、これにて4業務となります。

以上の5分野4業務はしっかり覚えておきましょう。

次に「欠格事由」として、「第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない」とあります。

 一 成年被後見人又は被保佐人
 二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
 三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
 四 第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

以上の、細かい数字はいつ出題されてもおかしくないので、とくに「二年を経過しない」は気になるところですね。

次に大切なのは第四章 義務等
(信用失墜行為の禁止)
第四十条 公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない。

(秘密保持義務)
第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。

→「公認心理師でなくなった後においても」は重要です。

 (連携等)
第四十二条 公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。
→これは、公認心理師試験の中でも、非常に重要な項目です。公認心理師は、この連携を期待されているという認識は強めておきましょう。たとえば「チーム学校」となった場合、公認心理師法だけで円滑にチームがまとまるわけではありません。厚労省はこれだけのことを言いますし、この中には多くの法律が絡んでいます。

2 公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。
→これが当初から非常に問題になったものです。これが出ないことはないのではないかと思います。
また別枠で書きますが、非常に難しい問題です。まず、何をもって「主治」とするか、が重要です。例えば怪我をして整形外科に行っていたとしても、当該支援に係るわけではないので主治ではありません。

 (資質向上の責務)
第四十三条 公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。
→これ、努力目標に見えます。臨床心理士は、更新の制度があるので、技能向上を図る姿勢を示すことはできますが、公認心理師は、ちょっと抽象的です。

(名称の使用制限)
第四十四条 公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。
→これも大いに話題になりましたので、皆が知っていることではありますが、テストで出るかもしれません。名称独占と業務独占の違いは知っておきましょう。

2 前項に規定するもののほか、公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない。
→これは特に「師」の字が重要なのでしょう。

公認心理師法はすべてを覚える必要はなく、出題する意味のあるところはある程度限られています。そのあたりは、主任の講座にも詳しく述べられていますので、是非参照してください。


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