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コラム
記憶力と実践力―本を読むということについて―
2017年12月20日
[実践力の体系化には]
著書「社長のいき方」の中で牟田學氏は次のようにも書いておられます。
― 学生時代は、知性や記憶力を養うために勉強した方がよい。
勉強は学生の仕事である。
しかし、二十歳を過ぎて社会人になると、そういう学問は生かすが、改めて勉強はしないほうが良いことも多い。―
私のようにあまり勉強が好きではない人間にとっては、朗報ともいえる見解にも思えます。
とはいえ、そんなふうに都合よく受け取ってはいけないのでしょう。
学生時代必要なのは、「知性や記憶力」を磨く勉強であって、社会人になってからは「実践力」を磨かなければならない、ということであろうと思います。
理屈ばかりこねていても、実践が伴わなければ社会人としては評価されないからです。
そして、この自らが体験した「実践力」を体系化し文字にするためには、なまじほかの本を読んだりして余計なノイズを入れないほうがいい、ということなのだろう、と思います。
ただこれは、やってみると結構きつい作業ではありました。
また、牟田學氏は、本を書くという作業においてばかりではなく、事業そのものを目指すという資質においても、「勉強をする」或いは「本を読む」ことがどういうポジションにあたるのか、次のように書いておられます。
[大事なのは「創造力」]
― 記憶力が勝った人は、創業するのに不向きなことが多いし、他の道を選び、事業の道は選択しない。
大抵、役人や学者になる。
記憶力の人は、書や他者に学ぶことが多い。
それに対し新しい事業や商品やシステムは、画期的で、前例がないというところに価値がある。
繁盛店も、成功も、模倣や真似事の中にはない。
社長に大事なのは創造力である。―
「ものを書くのに本を読むのか読まないのか。」という話から随分飛躍してしまいました。
本を読む、知識をつけるというのはいわばインプットの作業になります。
ここでは勉強した総量や記憶力の良し悪しで差がついてしまいます。
しかし、創業や事業経営は、アウトプットをしなければなにも始まりません。
これは全くの別物なのです。
現代は、ややインプット偏重の時代なのかも知れないなあ、と思います。
今回、私が取り組んだように
「紙と消しゴムとまっさらな白い紙だけを前にして、頭の中の何かを絞り出す。」・・・
この作業、みなさんもときどきチャレンジしてみてはどうでしょうか。
少々きついけれど、きっと、何か新しい世界が広がりますよ。
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