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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

新築する際のご近所問題

2017年12月4日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

空き地に家を建てるという事

念願の土地が見つかり、いよいよ建築となった段階でご近所から迷惑だとクレームが入る。
時たま耳にする問題です。電車に乗っていて4人掛けの席で3人まで人が座っていて、最後の席に座る様な気まずい雰囲気が流れる、あの時の心理状態です。ご近所さんにしてみれば、空き地であった頃は日当たりや通風も良く、クーラーの室外機なんかも堂々と空き地側へ熱風を放出出来たものが、建物が建ってしまう事により日当たりが悪く、通風も悪く、クーラー室外機の前に壁が出来てしまうのですからクーラーの効きも悪くなります。
そこでご近所の方は既得権を行使する為、あれやこれやと建築にクレームをつけたくなるのです。

既得権は認められるのか

確かに、空き地であったころは快適だったでしょうが、それは他人様の土地の環境を借りていたにすぎません。現状の法解釈では、隣地の建物にまで干渉する権利は持ち合わせていないのです。境界線より1m以内にある窓は目隠し覆いを施しなさいとか、民法で規定はありますが、民法は話し合いが原則でお互いが了解しあえば何もしなくても良い話しです。
以前から住んでいた住人も新しく住まう人も、法の上では平等で、昔から住んでいるから既得権を行使できると云うものではないのです。その事を熟知していないと、面白くない結果となります。

最後は話し合い

相手の建物が法律違反しているとか、安全が脅かされるとかの状況でない限り、第三者による解決手段はありません。民事訴訟と言う方法もありますが、双方とも決め手を欠き掛けた訴訟費用分損をすると言う結果になります。
万が一トラブルが発生した場合は、近隣住民は相手の権利を尊重し、新規入居する人はあくまでも謙虚に話し合いで折り合いをつけると云うのが最上策です。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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