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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

ローコストなエコの家の7年後

2018年1月31日 公開 / 2018年2月13日更新

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

外観
贅沢でないありふれた材料でも組み合わせを工夫する事によって、価値の有るものに変わって行きます。
写真の家は、7年前に私が設計監理したエコ住宅です。
先日用事があり数年ぶりに訪れました。住まい心地を真っ先にお聞きしたのですが、新築当初と全く変わっていないとの事でした。

吹き抜けを通じて、一階と二階は全く同じ空気環境です。真夏もそうですが、寒さの厳しい今頃でも家全体で使う空調機は一台で済ませているそうです。特に床暖房とかをしたのではありません。

夏暖かい空気は上に上がります。一階が快適ならば、二階は暑い状態です。この家は吹き抜け上部にシーリングファンを設け家中の空気を攪拌しています。普通に攪拌すれば二階の熱い空気が一階に下りてくるだけですが、床下の冷気を二階まで上げるダクトも備えています。床下のコンクリートの温度は年間を通じ16℃前後でほぼ一定です。その16℃に冷やされた冷気を二階まで強制的にもって上がる事により、一階と二階の温度差をなくしているのです。

冬は夏の逆です。シーリングファンで攪拌するのは同じですが、今度はダクトに取り付けてあるダクトファンを逆回転させ、二階の温まった空気を床下に吹き込むのです。床下の空気は16℃と一定ですので、足元が底冷えすることなく温度差のない快適な家になるのです。
ダクト写真
温熱環境を考慮しない建物で同じ事をしても決して快適にはなりませんが、新築当初から省エネ設備・省エネ構造を考えて建築すれば、ひと月当たりの光熱費を1~2万円程度下げる事が可能となります。

7年前のコラム→http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/670/

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