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コラム
これからの住まい【コラム】
2016年9月8日
今までの住まい
住まいは大きな買い物ですから保守的です。書店でも「失敗しない家造り」とか「失敗から学ぶ家造り」とか言った本が目につきます。新しく家を建てようとする人は経験者から多くを学ぼうとします。聞かれた人は成功談よりも失敗談を話す傾向にあります。成功談もその人にとって成功しても自分にとって成功と云えるのか確信が持てず、往々にして無難な方向にまとめ勝ちです。その結果数十年前と何も変わらない工法・間取りの家が建てられています。
これからの住まい
最近の制度や政策を見ているとこれからの住まいのあり方が見えて来ます。
ハード面では住宅の資産価値を高めようとする政策が取られています。フラット35を利用して中古住宅を購入しようとする場合、住宅性能評価書を取得していれば、適合審査が非常に簡便になり売却に有利で、その分高額な売却が可能です。また中古市場の流通を円滑にするための取り組みホームインスペクションに則った維持管理をしていると資産価値があがります。
ソフト面では家電メーカーの動向に注目です。ホームインテリジェンスが加速して昔鉄腕アトムに登場した未来の家が現実のものになりつつあります。スマートホンを利用した家電製品の制御を行う事により、家の空調・セキュリティ・掃除・洗濯・照明のON・OFFが可能となります。炊事も冷凍食品をもっと有効に使えばキッチンのあり方すら変えてしまう可能性があります。また、太陽光発電とEVカーをセットにすることにより燃費ゼロの自動車が利用できて、災害時にはEVカーが非常用電源の役目を果たします。セキュリティーにしてもオートロックから、侵入者への警告や警察への通報まで今後あらゆる「便利」が追及されていくでしょう。そう云った設備に柔軟に対応させる設備環境がこれからの住まいに求められます。
これからの家とは資産価値の高い家を指します
今までは、建物と云えば減価償却して資産が目減りするものと考えられてきました。しかしこれは人間が考えたルールで自然の法則ではありません。制度を変えるだけで資産価値は変わるのです。その為には建設当初の性能・機能を損なわない工法が求められるでしょうし、上記に示した様な次世代につながるアイデアを導入することも必要です。それに加え希少価値と云った独自性も資産価値を高める要素に加わるでしょう。大量生産されたものは古くなるとありふれたものとなり資産価値を維持できません。デザインにしても間取りにしてもオリジナリティーが求められます。
これからの住まいは、こう云った視点から構築されていくでしょう。
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