コラム
引きこもり、不登校さんへの家族療法の視点2/3
2019年11月13日 公開 / 2021年2月19日更新
例えば「ひきこもり」はそれ自体が周辺への人々へのメッセージに
「人」あるいは「人の心」とは単体では存在しえなく,他者との関係性の中でしか捉えようがないと言っても良いでしょう。
例えば,引きこもりが「ある種のコミニケーション」だとすれば,非行や親のアルコールやさまざまな依存症などの問題もコミニケーションで,家族内外の人々への「繰り返されるメッセージ」ではないかと考えられることになります。
症状行動が「誰の,誰に対する,どのようなコミニケーションのメタファーであるか」を明らかにしてその修正をはかることに家族療法の本質があります。
家族にコミニケーションしている本人を見ることによって,自分が理解されていることを感じ,いままではっきり意識することのなかった「父への反発」「母への怒り」「両親の不和を身を呈してなんとかしたい」を言葉として語れるようになり,それに伴って行動の修正も始まります。
家族療法の視点は、このようなご家族が対象となります。
・ご家族にひきこもり,不登校のお子さがいらっしゃるが本人はカウンセリングなどにつながらない。
・ご家族にうつ,アルコール問題,アディクション(依存症)、問題行動がある。
・こども、配偶者を愛せないと感じている。
・ご家族に、慢性疾患、身体症状、生きづらさなどがあり心配だ。
・ご家族経営の事業を営まれていて、すれ違いが多いと感じている。などなど。
<参考文献>斎藤学(2008)「家族神話」があなたをしばる 元気になるための家族療法 日本放送出版協会
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