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海江田博士

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海江田博士(かいえだひろし) / 税理士

税理士法人アリエス

コラム

事業の存続を可能にする3つの条件―衰退を免れた企業に共通して見えてくること―

2022年3月11日

テーマ:中小企業経営を考える

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: WEBマーケティング 基礎ビジネスモデル広報戦略

衰退の要因ではなく発展の条件

コンサルティングの仕事を通じて、長年地方の街をウォッチングしていますが、その衰退ぶりは目を覆うばかりです。シャッター通りと言われる商店街、空き地の目立つ中心部、人気のない表通り、いずれを見ていても、もはや商業集積としての体を成していません。そうなった原因については様々な分析が行なわれていますが、今回は、衰退を免れた、というよりは、さらなる発展を実現した、という逆の視点からこの問題を考えてみたいと思います。
数十件、或いは数百件あった商店街の中から奇跡的に生き残り、中には昔より事業を発展させている企業もあります。(ほとんどの場合こういった商店は法人成していますので、「企業」と呼ぶことにします。) この、何十分の一の確率で生き残った企業に共通する「条件」は何だろうか、と分析してみました。


発展を可能にした3つの条件

もちろんその「条件」はそれほどシンプルなものではありません。実に様々な要素が絡み合っており簡単に解明できるものではないのです。
しかしながら、いくつかの共通点を指摘することができます。
それは、大きく言えば次の3点です。
・時代に合わせて提供する商材(あるいはサービス)を変えてきている。
・自らの商圏(マーケティングエリア)を広げている。
・上記に合わせて「情報発信(アウトプット)」を怠りなく行なっている。
言うまでもなく、企業が成長発展するための条件は他にもいろいろあり、それらが複雑に絡み合ってのことなのですが、基本的なところで指摘されるのは上記の3点なのです。
「なんだ!どれも当たり前のことじゃないか。」と思われることでしょう。そうなのです。たったこれだけの当たり前のことができなかったのが、地方の商業衰退の原因なのです。
一つずつ見ていきましょう。


商材のリニューアル

・時代に合わせて提供する商材(あるいはサービス)を変えてきている。
これは最も基本的なことなのですが、案外皆さん取り組んでいませんでした。
というのは、かつてはモノが不足し、需要が供給を上回っていたために、何でも売れていた時代がありました。この頃は、少ない物資に人々が殺到し、利幅を高く設定しても喜んで買ってくれたのです。
またその後は、「流通元(メーカーや問屋)の提供するものを売っていればそれで済んだ。」という時代が長く続きました。そのために、自ら商品について考えたり開発するという習慣が身につかなった、と考えられます。つまり、売り手側がこちらの都合であらかじめ準備したものを取り扱っていれば済んだ時代(これを「プロダクトアウト」といいますが・・)もまたかなり長かったのです。
しかし、今はこれが完全に逆になりました。買い手である消費者の求めるものを提供しなければ、支持を得られない時代になったのです。これは何も個別のニーズに一々対応するということではありません。もう少し広くとらえて、時代の求める商材の傾向、流行といったものを見ていかなければマーケットに支持してもらえなくなった、と言った意味なのです。(これをマーケットインといいます。)


商圏の拡大

・自らの商圏(マーケティングエリア)を広げている。
次に、事業を発展させている企業は、上記の努力を続けています。これはあまりにも当たり前のことで、昔と同じ商圏内に住む人の数が極端に減少してきた今、その商圏の範囲内で商売を続けることは当然ながら難しくなります。自社の商品を購入してくれる消費者の層を厚くするか、広く商圏を設定し直して顧客の絶対数を増やすか、といった踏み込んだ策を採らざるを得ないのです。
成功している事業では、エリアを広げて新規顧客を開拓する、郊外型の店舗に移動してこれまでよりは広い商圏から集客をする、などの打ち手を展開することで、それまでの「町なか商店」からの脱却を図っているのです。当然、広がった分自社と関連するマーケットの濃さは薄まっていきます。その「薄まり」を補完するのが次の策になるのです。


「情報発信(アウトプット)」の実践

・上記に合わせて「情報発信(アウトプット)」を怠りなく行なっている。
この「上記に合わせて・・・」というのは、商品を新しくしたとしても、エリアをこれまでより広く取るようにしたとしても、当初、そのことを知る人はほとんどいません。つまり「変化した」という事実は確実に伝達しなければ効果を生まないのです。こんなことはごくごく当たり前のことなのですが、ここまで怠りなくカバーしている事業者は極めて少ないと言えましょう。
私が、繰り返しこのコラムを通じてお伝えしているのは、この「伝達」の重要性です。つまり、これまでより新しくなった現状というのは、「情報発信(アウトプット)」というプロセスを経ないと誰も知るところとならないのです。この当然のプロセスが、実に多くの企業で省略されています。地方の場合特にその傾向が強いのです。
現代経営において、省略することができないのが「情報発信(アウトプット)」です。これを、コストをできるだけかけないで、効果的なものにするために、私が研究を重ねてきたのが「経営者自身による情報発信の様々なノウハウ」です。
引き続き、このコラムでその内容については触れていきますので、お付き合いいただければ幸いです。


動くことでしか未来は見えてこない

上記の3点は、事業を続けていれば当たり前に実行すべき基本的な項目と言えます。理屈としては、それほどわかりにくいものではないはずです。しかし、現実にこれらを実践している経営者は驚くほど少ないのです。
私は、事業の衰退を防ぎ、今より発展させる要因はそれほど難しい理屈ではない、と思っています。理屈は難しくないけれど、実践ができないのです。実践もそれほど難しいことだとは思いません。やるかやらないかだけなのです。
動くことによって、新たな課題もその解決策もすべてクリアになってきます。逆に動くことでしか未来は見えてきません。是非、実践する経営者となって、事業を今より発展成長させてください。




今日もお客さんのために検討会


PS
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
上記の通り、いささかユニークな税理士です。
この業界人特有の硬さはみじんもありません。
私と話すと面白い、という方がたくさんいらっしゃいます。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
電話でも、メールでも、ズームでも対応いたします。
是非一度お話の機会を・・・・・

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