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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

自分で間取りを描ける講座3

2012年8月16日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

●モデュールの話し
モデュール(module)とは工業製品の寸法を決定する際に必要となる基準単位のことです。
基準単位を設定して、各建材の企画統一化を図りますと、ロスが少なくて済みます。
建築で最も多く使用されているモデュールは、910mmグリッドです。間取り図を描く際、910mm単位で、区切るとロスの少ない間取りとなります。何故1000mmにせずに910mmなのか疑問なところですが、910mmは尺貫法で云うところの3尺に相当するためです。
敷地条件によっては1000mmモデュールの方が、建物が綺麗に収まることもありますが、通常は910mmで描いた方がスムーズに収まります。

●間崩れ
910mmで割ると、余ったスペースが出来てしまう場合、一般的に階段・廊下を広く取ります。
リビング等の居室を広く取っても良いのですが、廊下・階段は910mmモデュールに置き換えると体格の良くなった現代日本人では少々窮屈さを覚えます。ですので、廊下・階段を広く取る事が多くなっています。
また鉄骨造やRC造の場合、910mmで階段幅を設定してしまいますと壁の幅で梁が収まらない為法律で許される最低基準寸法の750mmを確保出来ません。
鉄骨造・RC造の場合は最低でも階段幅1365mm以上取っておいた方が無難です。何故1365mmと云う中途半端な数字になるのか解説しますと、910mmの1/2の単位455mmを加えたのです。
910+455=1365mmとなります。
間取りを決める方法に家具の配置を考えて、家具の幅から部屋の有効寸法を算出して、ミリ単位で寸法を設定する人もいますが、モデュールを尊重した方が経済的な建物になります。

●垂直方向のモデュール
間取りと同じ様に、垂直方向にもセオリーがあります。天井の高さの一般的なものは2.4mです。
これは尺貫法で云う8尺に相当します。建材は2尺幅、8尺の長さの建材が多く用いられています。
石膏ボードは3尺x6尺が一般的ですが、これは6尺の長さを三等分して2尺にすることで、6尺+2尺=8尺となるようにしたものです。
一階から二階までの階高は、この8尺を確保するところから始まります。床の厚みに約60mmを加え、天井懐に構造材が収まる寸法450mmと天井下地60mmを加えます。すると8尺=2400mmですので2400+60+450+60=2970mmとなります。2970mmを尺貫法に換算しますと9尺8寸となります。一階の階高は9尺8寸から10尺程度が経済的で、疲れない階段をを造る事の出来る寸法かと思います。

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