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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

間取り図面を書く、自分でプランしてみよう

2011年12月28日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物


注文住宅を建築するとき、もっともワクワクするのは間取りを考える時間です。そのワクワク感が多ければ多いほど、思い入れのある良い家となり、大袈裟に言えば、家が恋人の様に思えてきます。自分が好きな人(家)の為なら、長く苦しいローン返済にも耐えられるでしょう。
建売住宅を購入される方には、このワクワク感がありません。初めのうちはどの家も新しく皆さんも褒めてくれますが、古くなると誰も何も云わなくなり、家の欠点ばかりが気になるようになります。それでもローンはあと何十年も残っているのです。
随分年配の方から、やっとローンが終わったので、今度は自分らしい自分たちの為だけの家を造りたいと云う相談を、最近は良く受けます。何もかも納得ずくで家を建てられたなら、痘痕も笑窪に見えてきます。

プランニングのコツは、作っては壊すを繰り返す事です。
折角苦労して組み立てた間取りでも、その間取りに固執してしまうとそれ以上前へ進めなくなってしまいます。堂々巡りの果てに投げ出してしまうのがオチです。一度組み立てた間取りは、それはそれで、残しておいて新しい気持ちでプランを始めます。ワクワクを何度も楽しんでください。
効率良くプランニングするコツは、自分が欲しい空間を小さな紙に書いてパズルの様にあちこち並べ替えて見ることです。その際部屋の大きさは無視します。あくまでも動線を確認する為の作業です。その時周囲の環境も頭に入れておいてください。どちらから日が差すか、どちらから風が吹くか、どちら側が眺望が開けているか云々をイメージしながらパズルを組み立てます。

そうすると、今まで思いもしなかった案が浮かんできます。これはと思う動線が出来上がれば、そこに大きさを加えていきます。
例えば、二階にリビングを持って行きたいのであれば、水廻りも二階に上げるのか、リビングを最大限広げる為に一階に残すのか思案のしどころとなって来るでしょう。また二階リビングは外部とのつながりが希薄になり勝ちです。思った以上にベランダを広く取ってみるとか、通常の間取りならこの程度と云う固定観念を捨て去って考えることも良いでしょう。

また、部屋の構成を全くぶち壊すこともお勧めします。固定的に洋室6帖・寝室8帖云々と考えてしまうのは何故でしょう?
6帖を子供部屋と考えて、収納する家具を考えたら6帖位必要と漠然と考えてしまうのではないでしょうか?
子供は子供部屋で何をするのでしょう?我が家の子供にも個室を与えましたが、結局寝る時以外は親と一緒にリビングで過ごしました。寝る為だけに6帖のスペースは贅沢だとは思えて来ませんか?個室に収納するものを分解してそれぞれを集約すればまた新しいプランが生まれます。
例えばリビングの隅に親と一緒に使えるワーキングテーブルを置けば、勉強机がいらなくなります。個室で勉強し出すのは中学の後半、受験が近づいて来てからです。それも友達と一緒に図書館へ行ったりしますので、個室の勉強机は絶対条件とはなりません。
衣類の為の収納スペースも個室でしょうか?家族の人数だけ季節ものの入れ替えとか大変じゃないですか?ロッカールームを作ってそこで集約して、衣類の管理を行えば家事の手間が省けませんか?外出着⇔普段着・普段着⇔パジャマとかの着替えもそこで行い、浴室や洗濯機の傍にセットすれば、衣類を集めて周る手間も省けるでしょう。
となれば、個室は3帖程度でも充分広くなりませんか?

少し具体的に書きすぎましたが、家族構成やライフスタイルに合わせて間取りを構築してみる一例です。

作っては壊す作業を何度も繰り返すと、本当に自分達に合った家とは何かが見えてきます。それが見え出すまでワクワク感を大切にしながら考えて見てください。

この記事を書いたプロ

福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(岡田一級建築士事務所)

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