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神野沙樹

「活き生き組織」をともに作るプロ

神野沙樹(かみのさき)

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

コラム

社内で実践!働き方改革20のステップ(5)社内の「課題」を整理する~課題整理が必要な2つの理由とその方法



解決策の立案をするまえに「課題整理」が大切である理由




課題の洗い出し、
課題図書、
課題解決……

「課題」という言葉は様々な場面で登場しますが、どちらかというと
「やらなければならないこと」とネガティブに捉えることの方が多いかもしれませんが、
なぜ「課題」を認識することが大切なのでしょうか。


「課題」というのは、
「ありたい姿(ゴール)」と「現状」のギャップから生まれるもの。

ゴールが明確であればあるほど、
あるいは現状について正しく・具体的に把握していればいるほど、
たくさんの課題に出会うことができます。

そして、たくさんの課題に出会うことができると、その数だけ解決策を考えることができます。

何かを解決したいときに、ゴールや現状把握、課題把握をすることなく
「いきなり解決策から考えてしまう」ケースがあるのですが、
それでは抜け漏れが起こってしまいます。

だからこそ、解決策の立案をする前段階として、
しっかりと現状把握をし、課題を洗い出すことに意味があるというわけです。

さらに、多方面から課題を洗い出すことができれば、
みなさんにとってまず取り組むべき課題は何かという「優先順位」をつけてから
解決策の立案・行動に移すことができます。

考え付く解決策を手当たり次第試していたのでは、
時間がかかってしまう上に、その結果は分かりません。

途中でとん挫してしまう可能性もあります。

つまり、解決策の立案をする前に「課題整理」が必要な理由は、
社内に潜む「課題」を、感情ではなく論理的に捉え、
効率的に進めていくためのステップである、というわけです。

社員一人ひとりの意識が重要な「働き方改革」

進めるときだからこそ把握したい「課題」




なぜ課題を把握する必要があるのか。
1つめの理由は、先ほど見た「課題を把握せずにいきなり解決策を考えると
抜け漏れが多く、感情で判断しやすくなってしまうため」でした。

実は、もう1つ理由があります。

この理由は、働き方改革をはじめ、
組織全体に影響するプロジェクトだからこそクリアしておきたい点であると言えます。

具体的にみていきましょう。

課題を把握しておきたい2つ目の理由。

それは、「不満を含めた課題を吐き出す機会づくりにするため」です。

例えばみなさんが、「今から課題を挙げてください」と言われて、
トップや役員、上司がいる中で、課題をたくさん挙げることができるでしょうか。

中には「遠慮せず言えますよ」という方もいらっしゃるでしょうが、
なかなかそうはいかないものです。

1~2つは挙げられますが、なかなか本質的な課題(心の奥に潜んでいる課題)を
挙げることは難しいのではないでしょうか。

もしこの状態、つまり本質的な課題に向かわないまま、
解決策の立案のステップに移ってしまうとどうなるでしょう。

「組織の本質に向き合っていない上辺の解決策」になり、社員の方にとっては
「納得はいっていないけれど、会社の方針だから働き方改革を(上辺だけ)進める」
という気分になってしまうことが想像に難くありません。

それでは、意味がありません。

だから、課題を把握するというのは、
「想いを吐き出すことで次のステップに進むため」に避けては通れない道だということです。

よく言われることですが、「呼吸」は「呼(吐く)」という字から始まります。
人間、何かを入れる(吸う)ときには、まず吐き出さなければ入っていきません。

社内改革も同じ。まずしっかりと吐き出す機会を作ってください。


課題整理するにはどうしたらいいの?

正しく把握し、次のステップに繋げるための3つの視点




1.人数

社内の課題を把握するのに、たった一人で考えていても効率が悪いだけです。
10人いれば、10通りの考えがあって当然ですから、
「なるべくたくさんの人の意見を聞く」ことが大切です。

とはいえ、一人ひとり5分ずつ話を聴かせてほしいといったところで
「ホンネ」はなかなか出てきづらいと思います。

それでは「出来るだけ多くの人から」「出来るだけホンネを」聴くにはどうすれば良いか。

【方法その1】~直接ヒアリング法
人は、信頼関係がある人に話しますから、手分けして、
出来る限り日頃から信頼関係が築けている間柄の人からインタビューするのが望ましい形です。

【方法その2】~間接ヒアリング法
社員数が多すぎて一人一人ヒアリングするのは現実的ではない、という場合は、
(4)社内の「現状」を把握する
の「意識」の部分でも挙げた従業員満足度調査を行ってください。

2.形式

望ましい形は、やはり「1対1」あるいは「1対2」など、少人数の場がよいでしょう。

個別面談をされる時の注意点は、
「その面談、本当に機能していますか?個人面談をするときに気をつけたい10のポイント」をご覧ください。

また、プロジェクトミーティングや、部内での話合いを行うこともあると思います。

その場合は、いきなり「課題を思いついた人から手を挙げて発表してください」
というのではなく、一度個人でポストイットに書きだしてから、
その意見を共有するなど「みなが意見を出しやすい場づくり」を意識してください。

もう少し具体的な方法は、
【会議・ミーティング改善に使える!】知ってると便利な「意見が出る場づくりの3要素」 に記載しています。


3.ユニークな方法

最後に、ユニークな方法をご紹介します。

あれやこれや手をつくし、
「課題を挙げよう」と呼びかけてもなかなか出てこないこともあるかもしれません。

その場合は、「愚痴大会を開こう」というきっかけからのスタートでも良いと思います。
また、一旦は「自分のことを棚上げして」意見を述べてみるのも一つです。

名付けて「棚上げ会議」です。

そんなことをすると「単に文句ばっかり、権利主張ばっかりになるのではないか」
という危惧をされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
むしろ愚痴・文句・権利主張であっても「吐き出さないこと」には、
人は新しい考えを入れることができません。

ぜひ、「今日は意見を発散する日で、結論を求める場ではない」ことを共有したうえで、
実施してみてください。

旅行業界で有名な日本旅行さんでは、女性社員が集まって始めた「おしゃべり会」が
「業務改善会議」に自然に変わったという事例もあります。

これでもか!と意見を吐き出した先に、
「自分たちでできることを話し合おうか」という雰囲気が出てくるはずですよ。

■まとめ


今回は、「社内の課題を把握することの重要性とその方法」について見てきました。

みなさん、ファシリテーションといって会議やミーティングの場を
「円滑に進める技術」はご存知でしょうか。

そのファシリテーションには、4つのステップがあると言われています。

①場のデザイン(場づくり)
②発散(受け止める・引き出す)
③収束(かみ合わせ・整理する)
④決定(まとめる・分かち合う)

この4つのステップをご覧いただいても分かる通り、
場をつくったあとにまず行うのが「発散」です。

出てきた意見を受け止める、内にとどめている想いを引き出すことができて初めて、
「収束」というステップに行くことができるのです。

今回の「課題の把握」は、まさに「発散」。

しっかりと発散させてから、収束のステップに移りたいものです。

次のコラムでは、「よくある課題を」カテゴリ別にご紹介します。
社内の課題把握をされるときに参考になると思いますので、ぜひご覧くださいね!


次のコラム≫社内で実践!働き方改革20のステップ(6)
課題を挙げよう~その1【意識編(トップの意識)】

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2018-11-14