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小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(こばしひろ) / 講師

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

コラム

認知症介護者の憂鬱

2017年6月2日 公開 / 2020年10月25日更新

テーマ:認知症介護者の憂鬱

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

今日は認知症の人から、コーチングで
思いを引き出すことができるかという話


お袋が行っているデイサービスから
週4日を2日にしてほしいということで
5月は週2日しかデイサービスに行けませんでした。
案の定、認知症が進み今まで出来ていたことが
できずイライラしていることが多くなったそうです。


というのも、
4月に帰った際、ケアマネさんと
デイサービスの担当、ヘルパーさんが集まり
会議があり、そこでいきなりケアマネさんから
デイサービスの日にちが週2日になりますと
突然に言われ、青天の霹靂でした。

原因はデイサービスに行った際、
他の利用者さんに暴言を吐いたらしいのです。
これがそもそもの原因。

認知症になる前のお袋からは想像ができないが、
初期の頃は、一日に何度も電話をしてきて
暴言を吐いていたのを思い出します。


認知症になると、
知らない人の前では、よそ行きの顔を見せ、
一生懸命、健常者を演技します。
お袋の場合、知らない人だったら
認知症とは思わないでしょう。


認知症なってからのお袋の特徴は
人の顔色を読むのが得意で、
自分の味方でないと判断した途端、
話しかけても無表情になり、
まるで蝋人形に話しかけてるように錯覚する。

デイサービスに行くと、
皆んなの中で楽しんでいるが、
機嫌が悪くなると蝋人形になる。

そんな時には、大勢の中にいても
自分が疎外されているように
感じているのかもしれませんね。



砂時計



そんなことがあって、

私が実家に帰った時には
長い時間をかけて認知症のお袋に
コーチングをします。
これには健常者と違うコツがいります。


認知症になると視界が狭くなるので
しっかりとお袋に近づき視界の中に入る。

認知症患者の視界は
人差し指と親指で◯を作りメガネのように
景色を見てみると違いがよく分かります。
なので目の前に箸があっても
気づかないので手で食べることもあります。


目をそらさないように声のトーンを
落として優しく笑顔で語りかけるように話します。
お袋は耳が少し遠いが、こうして話すと
一度も聞き返してきません。

こうして、
嫌だった出来事を聞きながら
その時の感情を引出していきます。

ひとつの感情が出てくると
他の嫌な出来事の感情も聴いていって
共通する感情を探します。

共通する感情があれば、嫌な出来事の中で、
どこに光が当たって感情が動いているかを探ります。

コーチングの際、
注意しなければならないのは、
誘導的に感情を引き出さないことです。

これをやると、こちらが誘導で出した感情に
本人が合わせてしまう。
これは認知症特有のクセのようなもので
考えるのが面倒くさいのです。


世間話をしながら話すので、
ひとつの事を聞き出すのに
2時間くらいはたっぷりかかります。

どんなに認知症が進んでも
記憶はなくなるかもしれないが、
感情だけは最後までしっかりあるそうです。



お袋が一番嫌なことを
コーチングで聴いたことがあります。
今回も多分それ。

ヘルパーさんに甘いものを食べるのを
注意されたのが気に入らなかったらしい。
お袋は糖尿病なので、ヘルパーさんにしてみれば
身体を心配してのことだったのでしょう。



私が感じたのは、
それほど長くない人生の中で、
身体に悪いからと、「やらさない」とか
「食べさせない」ということは、
本人にとってどうだろうか。
私自身も、お袋と一緒に食事するたびに
葛藤しているところです。






【小さな行動】
あなたにとって「幸せ」とは何かを
具体的に考えてみる
その幸せは余命3ヶ月と言われても幸せですか?



 

この記事を書いたプロ

小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会)

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