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松田友和

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松田友和(まつだともかず) / 内科医

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コラム

朝食にシリアル食品を上手に利用するために

2021年1月28日

テーマ:生活習慣

コラムカテゴリ:医療・病院

はじめに

少し前にコーンフレークが再ブレークしました。さらに、最近ではオートミールが注目され、品薄状態になったこともありました。コーンフレークやオートミールはシリアル食品に分類されます。「時間がないから朝食を摂らない」とおっしゃる方に、「簡単なシリアル食品で良いので食べるようにしましょう」とお勧めすることがあります。確かに、忙しい朝に食事を準備したり、食べたりする時間をひねり出すことは大変です。しかし、シリアル食品なら比較的簡単に朝食にできるかもしれません。そこで、今回はシリアル食品について考えてみたいと思います。

朝食を抜くデメリット

まず考えられることは、「腹が減っては戦は出来ぬ」ということです。特に脳は、ブドウ糖をエネルギー源としています。お腹が減って頭が回らない、という状況がまさにそれです。朝食を抜くと、昼食までの仕事や学習などのパフォーマンスが低下してしまいます。
次に、セカンドミール効果という言葉をご存じでしょうか。セカンド=2番目、ミール=食事、ですので、2番目の食事に対する効果という意味です。実は、朝食を食べる場合と食べない場合では、2番目の食事、つまり昼食後の血糖値は、朝食を食べない場合の方が高くなることが明らかになっています。これをセカンドミール効果と言います。つまり、お腹が空き過ぎている状態で食べると、血糖値は上昇しやすいことを意味しています。またお腹が空き過ぎている状態で食事をすると、栄養分をため込みやすい、つまり太りやすくなります。

これら以外にも、自律神経が乱れてしまう、など様々なデメリットが指摘されています。特にお子様がいらっしゃる方は、是非朝ごはんを食べさせるようにしてください。成長時期に朝食を摂らずにいると、身体の成長だけでなく学業にも影響することが明らかになっています。また子供の頃の習慣は大人になっても持続してしまいますので、子供時代から身体によい習慣を身につけさせてあげてください。

手間をかけずに朝食を

理想の朝食は、栄養素をバランスよく含み、野菜もしっかり、ということになりますが、忙しい朝に頑張って朝食を作ってみても、三日坊主になってしまいます。継続することが大切ですので、例えばバナナ1本でも食べないより良いと、お話させていただいています。バナナより少し手間はかかりますが、簡単に短時間で食べられるものとして、シリアル食品を活用してみてはいかがでしょうか。

シリアル食品と言えば、オートミール、グラノーラ、ミューズリー、コーンフレークなどがあります。シリアルとは、穀物や穀物の加工食品を意味する言葉です。したがって、シリアル食品とは、トウモロコシ、麦、コメなどの穀物を食べやすく加工した食品のことを指します。穀物の種類や加工方法によって様々な種類があります。

〇オートミール
オート麦、オーツ麦と呼ばれる種類の麦を脱穀して調理しやすいように加工したものを指します。
〇ミューズリー
オートミールを水や牛乳でふやかし、果物類やナッツ類を混ぜたもの
〇グラノーラ
オートミールを砂糖や蜂蜜、ナッツ類などを混ぜて焼き上げたもの
〇コーンフレーク
乾燥させたトウモロコシを粉にしたコーンミールを、水で練って加熱してフレーク(小さい薄片)状にしたもの

いわゆる全粒穀物(精白していない穀物。全粒穀物は精白された穀物よりも食物繊維や栄養素が豊富)を用いている場合が多く、簡単な朝食に向いているとされる理由となっています。ただし、いわゆる全粒穀物だけのオートミールと違い、ミューズリー、グラノーラ、コーンフレークは、加工の仕方によっては、かなり糖分を多く含むものもありますので、食品成分表で確認しながら、適度な量を上手に活用するようにしてください。

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