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肉体的・経済的・精神的虐待に「廃除」という選択 ☆遺言・相続vol.3⑥☆

2010年6月16日 公開 / 2012年9月20日更新

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き


みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
DVには、肉体的虐待だけでなく、年金を取り上げる等という経済的な虐待や
侮辱的な言葉を言い続けるといった精神的な虐待もあります。
こんな推定相続人がいるので、遺言をしたいという、そんなご相談をお受けしました。

実は、ご相談当初は、子どもさんはいらっしゃるけれど、お母様に財産を残したいというお話しでした。
以前、奥様との間で財産分与の登記手続きをさせていただいたことがあったので、
子どもさんとも上手くいっておられないのかな・・・と思って伺っていました。
ただ、子どもさんの場合、例え遺言書をもってしても、
「遺留分」を主張される場合があるので、思う通りにならないかもしれませんよ・・・。

よくよく伺っていると、どうやらその子どもさんは、お父さんに対して暴力をふるい、
そのために手術を受けるような事態にまでなっていたと・・・。

そういうことなら、話は違います。
お母様へ残す遺言を書くと同時に、その子どもさんの廃除の意思表示をしておきます。
遺言執行者から家庭裁判所に廃除の請求をして、認められた場合は、
相続人から廃除されて、「遺留分」すら剥奪されるという強力な効果があります。

実際に、主観的な理由だけでは家庭裁判所で廃除の判断が下るというのは
難しいと聞いていますので、客観的な資料を揃えておきます。

「・・・だからこの遺言になるのですね。」私も、合点がいきました。

司法書士佐井惠子

  *本人が、誰に遺産全部を遺贈しようと基本的に自由ですが、遺族が相続する
   権利を留保しておける権利を「遺留分」といい、配偶者と子は遺産の2分の1,
   尊属は3分の1の内の、各人の相続分が、当該相続人の具体的な遺留分となります。

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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