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公正証書遺言ができるまでの自筆証書遺言 ☆遺言・相続 VOL.10⑩☆

2018年7月2日 公開 / 2021年2月9日更新

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
公正証書遺言を公証役場で作成するには、準備が必要です。
揃える書類も、直ぐには用意できない場合があります。
そんな時、公正証書遺言を作成するまでの間の万が一に備えるために、
自筆証書遺言の作成をお勧めしています。

公証役場で遺言を作成するについては、ご本人から打ち合わせをして、私どもが原稿を用意します。
相続人に「相続させる」遺言を作成する場合には、公証役場から、遺言者の推定相続人であることを戸籍で証明することを求められます。相続人でない人には、「遺贈する」遺言が必要です。「相続させる」遺言を書き残して、折角の遺言が効力を生じないことにならないようにするためです。

ところが、兄弟姉妹が推定相続人である場合、遺言者に子や孫がいなくて(第一順位相続人がいない)、更に、父母や父方の祖父母、母方の祖父母がいないこと(第2順位相続人がいない)が前提となり、それを戸籍で証明することになります。その上で、遺産を受け取る人が兄弟姉妹であることを証明することになります。
甥姪に「相続させる」遺言を作成する場合には、前記に加えて、遺言者の兄弟姉妹であり、甥姪の親である人が既に亡くなっていることを戸籍で証明することになります。

そして、これだけの戸籍を集めるには、時間がかかることになります。

遺言者ご本人との相談ではありますが、そういった準備期間に、万一のことがあれば、折角、遺言を残したいと思われたことが叶わなくなることが残念なので、自筆証書遺言を作成しておいていただくことをお勧めしています。

公正証書遺言の原稿は、比較的、先を長く見据えて考えますので、先々のことはどうなっているか分からないという前提にたって書くようにしています。そのため、例えば、財産を残そうとしている人が遺言者より先に亡くなっていた場合にどうするかという条項も入れるなどしますので、とかく長文になりがちです。ところが、公正証書遺言を作成するまでの間の自筆証書遺言の原稿については、ご本人が遺言を書きたいと思った、これだけはと思う内容の原稿にして、できるだけ短く抑えるようにしています。

原稿を見ながら、ご自宅でゆっくりと書いていただくのも良いですね。その場合は、訂正などないか、押印が正しくできているかを、後日、確認させていただいています。ご希望によっては、事務所で書き上げていただくこともしています。傍に控えていますので、疑問に思ったことをいつでも聞けるところが、安心なところなのだと思います。

司法書士佐井惠子

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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