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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

ローコスト住宅とチープハウスは明らかに違う

2018年8月23日

テーマ:【ローコスト住宅】

コラムカテゴリ:住宅・建物

同じ安い家なのにどう違うのか


限りある予算をどの様に使うかで、ローコスト住宅とチープハウスは分かれます。コミコミ〇〇万円と宣伝していても、プロが納得する家は不可能なのです。
既製のコミコミ〇〇万円と云う家は、人の目を引かせようと、仕上げにお金を多く使います。豪華なキッチンセットや、ユニットバス、便利な設備機器を揃えて、これでコミコミ〇〇万円と云う売り方です。しかし、仕上げにお金を使ってしまえば、目に見えない中身にお金を掛ける余裕が無くなってしまいます。
ですので、中身は法律で許されるギリギリまで、予算を絞る結果になってしまいます。今の建築基準法は震度6強で倒壊の恐れがあります。地盤の状況等で全部倒壊するとは限りませんが、大きなダメージを受ける事になります。
また、省エネに関する基準は、建築基準法では規定されていません。今どき、グラスウールも入っていない家は、さすがにありませんが、住んでみないと分からない住み心地に関する性能まで、お金を掛ける事はしていません。
見た目は豪華でも、中身が薄い家はチープハウス(安普請)と云わざるを得ません。見た目の豪華さは、工業製品の宿命で5年もすれば時代遅れとなり、10年を過ぎた頃から、取り換えられる運命にある部分です。そこにお金を掛けて、豪華にすることに、どの程度の意味があるのでしょうか。
仕上げにお金を掛けないのが、ローコスト住宅です。幾ら仕上げにお金を掛けなくても、新品の間は十分綺麗です。お金に余裕が出来れば、いつでも取り換える事も可能です。それよりも、目に見えない構造や、省エネ性能、耐久性能、維持管理性能と云った中身にお金をつぎ込む方が重要と考えるのが、ローコスト住宅です。
家造りはチープハウスを目指すのではなく、ローコスト住宅を目指す方が長持ちする家となります。

この記事を書いたプロ

福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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