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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

生命の起源

2013年10月8日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

今、生命の起源に関する本を読んでます。最近長時間移動する機会があり、暇潰しのつもりで駅の売店で買ったのですが、これが意外に面白い。
難解な本で、その道の専門でない私には、「???」の部分も多いのですが、生命の定義について目からウロコの内容が満載です。たとえば、生命活動と云うのは化学的に云えば酸化・還元活動でエネルギーを得ている事らしいです。
人間は呼吸して酸素を取り入れますが、取り入れた酸素と摂取した食物を細胞内で酸化させて熱を生み出して活動しているのです。植物は地中の水分を吸い上げ、空気中の炭酸ガスと光合成させ酸素と有機物を生み出しています。つまり還元です。動物と植物の生命活動がそれぞれバラバラだったのが化学の目を通して見ると酸化・還元と云う一つの化学反応で成り立っている事が判ります。

また、遺伝子情報を通じて自分のコピーを造る能力も生命の能力の一つですが、遺伝子のコピーだけでは生物は進化しません。まだ良く判っていない分野らしいのですが、自然淘汰だけで生物の進化は語れないそうです。突然変異と呼ばれる劇的な変化が生物には必要なのだそうです。それを司るのがウィルスではないかと言われています。遺伝子は親から子へ縦系列に受け継がれて行きますが、ウィルスはその時に存在する生物の間を感染と云う方法で横に動き回ります。
ウィルス自身は細胞分裂の様に自己の複製を造る事が出来ません。他の細胞の中に入り、ウィルス自身の遺伝子をその細胞の遺伝子に組み込み、その細胞にウィルスの複製を造らせると云う過程を経ます。インフルエンザも人間の細胞に自分の複製を造らせて増殖しているのです。
そして、細胞内の遺伝子にウィルス遺伝子を組み込む際に、そのまま細胞内に留まって、今までと異なる細胞になってしまうのが突然変異ではないかと言われています。
つまり、縦系列の遺伝子と横系列のウィルス感染とが交差して生物は進化して来たと云う事になります。

文春新書 松井孝典著 「生命はどこから来たのか?」

私の専門は建築で、建築と云うフィルターを通して世間を見ていますが、建築でも技術と云う縦糸だけでは築き上げる事が出来ません。文化と云う横糸が必要なのです。
技術と文化が融合して始めて有機的な建築が出来上がります。

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