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神戸市立幼稚園PTA連合会での講演「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」

2023年5月18日 公開 / 2023年7月19日更新

テーマ:教育・人権講演会

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

 2023年5月19日(金)は神戸市総合教育センターで講演会がありました。
 


 主催は神戸市立幼稚園PTA連合会で、聞いてくださるのは神戸市内の公立幼稚園の保護者の方々と園長先生です。
 テーマは「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」


 

愛とは何でしょう?

 今日は子どもたちが愛情を受けながら幸せいっぱいで成長していくために「愛とは何か」「幸せとは何か」を皆様と一緒に考えて参りたいと思います。

 みなさん、愛とは何でしょう?



 今、みなさんのお手元に「あいってなあに?」という詩がありますね。



 この詩には誕生秘話がありまして、今日はまずその話からしたいと思います。

 皆さん、ヘレン・ケラーはご存知ですね。
 彼女は1歳半の時に高熱を出して、目も見えない、耳も聞こえない、という障害を背負います。
 目が見えませんから文字を知りません。耳が聞こえませんから言葉もわかりません。
 ヘレンは誰とも意思疎通ができないまま、獣のような状態で7歳を迎えました。
 両親は視聴覚障害者のための「指文字」を指導してもらうために家庭教師を頼みます。
 そしてそこにやって来たのがアン・サリバン先生です。
 彼女の愛情深い指導のおかげでヘレンは「指文字」を覚え、全てのものには名前があることを知ります。
 そして知識欲旺盛な少女へと変わっていきます。
 ある日サリバン先生はヘレンに愛について伝えたいと思い、指文字で手のひらにこう綴られました。

「雲には触ることは出来ないけれど
 雨は触れるでしょう。
 草や木や花も
 雨を喜んでいるのはわかるでしょう?
 雨があるから草や木や花は育つことが出来るのよ。
 
 愛もそれと同じなの。
 愛も手で触れることは出来ないけれど、
 愛が注がれる時の優しさは、
 感じることが出来るでしょう?

 愛があるから、喜びも湧いてくるし、
 遊びたい気持ちも起きるのよ。」

 だけど、ヘレンにはうまく伝わりません。
 目も見えない、耳も聞こえないヘレンにとって物事を知る手がかりは触ることだけでした。
 触ることが出来ない「愛」を理解させることは至難の業でした。
 一番伝えたい「愛」を伝えることが出来ない。
 自分の無力さにサリバン先生は涙を流されました。
 その涙の一滴がヘレンの手のひらに落ちた時、ヘレンには愛が何であるかが分かったというんです。



 自分だったら言葉もまだよくわからない5歳くらいの子どもに「愛」をどのように教えるだろうか。
 そうして生まれたのがこの「あいってなあに?」という詩です。

 愛とは人の心を明るくするものです。
 愛とは人の心を暖かくするものです。
 その愛をあなたが私に持ってきてくれた。
 そんなふうに愛を伝えられたら素敵だなあと
 そういう思いからこの詩が生まれました。

親学10か条 〜子どもを幸せに伸ばす10の秘訣〜




 

1、子どもの自己成長力を信頼する(信じて待つ)


 自己成長力とは、自ら成長・発達・進歩・向上していこうとする力です。
 その力が子どもに宿っている。
 自己成長力とは具体的に言うとどんなものか。

 赤ちゃんは生後半年ほどすると寝返りを打つようになります。
 そして寝返りを打つようになるとハイハイをするようになり立つようになります。
 立つようになると歩くようになり、歩くようになると自然に走るようになります。

 これらは全てその時期が来ると子どもの心の中に「寝返りを打ちたい」「ハイハイしたい」「立ちたい」「歩きたい」という成長衝動が起こり、それに促されて出来るようになります。

 赤ちゃんはその成長衝動に促され、何度も何度も寝返りを打つことにチャレンジします。
 そしてある瞬間、寝返りを打つことに成功します。
 この時赤ちゃんは「達成感」に似た喜びを感じます。
 もし、その場面にたまたま親が立ち会っていて「できたね!」と喜んであげると、赤ちゃんは嬉しくなり、その嬉しさに励まされてさらに寝返りを打つようになります。

 子どもの自己成長力を引き出す上で一番大切なのは親の喜びです。
 笑った!
 立った!
 喋った!
 親が喜んでくれると子どもも嬉しいんです。
 親の喜びが子どもの喜びです。
 それに励まされて子どもは成長していくのです。

 子どもが出来るようになったことを喜ぶのはもちろん大切ですが、それよりももっと大切なことがあります。
 それは子どもの存在そのものを喜ぶということです。
 それはどういうことか。



 ドラえもんに「のび太の結婚前夜」というお話があります。
 結婚式を明日に控え「パパやママに何もしてあげられなかった」と嘆くしずかちゃんにパパはこう言います。
 「君は素晴らしい贈り物を僕たちに残していってくれるんだよ。
  最初の贈り物は君が生まれてきてくれたことだ。
  それからの毎日、楽しかった日、満ち足りた日々の思い出こそ
  君からの最高の贈り物だったんだよ。」

 私も娘の結婚式でスライドショーがあって
 娘や自分や妻や家族の笑顔の写真を見て
 「ああ、あの時は楽しかったなあ・・」
 「ああ、あの時は幸せやったなあ・・」
 て思い返しますと子どもから幸せをもらってたんやなあ、今までありがとう・・
 て思ったら涙が後から後からあふれてきました。

 子どもの存在を喜ぶとは、子どもが持ってきてくれた愛や喜びや幸せをしっかり受け取るということです。
 自分の許に生まれてきてくれた、子どもが元気でいてくれる、それを喜べる親になるということです。

 

ありのままを愛する(そのままのあなたが大好き)

 ありのままを愛するとは、やんちゃな子はやんちゃな子のまま、引っ込み思案な子は引っ込み思案な子のまま、発達障害の子は発達障害の子のまま、そのままを愛するということです。
 子どもを変えようとしないということです。
 
 それは下の『無条件の愛の誓い』を実践することです。
 「健やかなる時も病める時も、いい子の時も悪い子の時も、発達障害であってもなくても、不登校であってもなくても、勉強してもしなくても、きっちりしててもだらしなくても、この子を愛し、この子を喜び、この子を受け入れ、この子を理解し、この子のことはこの子に決めさせ、その命ある限り真心を込めて育てることを誓いますか。」

 その無条件の愛が、子どもの意欲、向上心、生きる力を育てます。



 自分にはダメなところがある。自分には弱いところがある。
 だけど自分はそのままの自分で愛されている。
 そう思えることがどんなに幸せで、どんなに嬉しく、どんなに自信がつくことでしょう。
 それが現在のそして未来の子どもの心を支えます。
 
 「そのままのあなたが大好き」
 これは親が子どもに贈ることができる言葉の中でも最高の言葉です。
 これこそが自己肯定感の土台となるものです。

 では、どのようにしてそれを伝えていけばいいのか。

 今日はみなさんに紹介したい絵本があって持って参りました。
 「いいこってどんなこ?」て絵本です。



 うさぎのバニー坊やがお母さんうさぎに尋ねます。
 「いいこってどんなこ?泣かない子がいい子なの?強い子がいい子なの?」
 「泣いたっていいのよ。強くなくてもいいのよ。」

 「でもおこりんぼはいいこじゃないよね。
  ぷんぷんおこっているぼくなんかきらいでしょ?」
 「ぷんぷんおこっているときもにこにこわらっているときも
  おかあさんはバニーがだいすきよ。」

 「でもぼくがバカなことばかりしてると
  おかあさん いやになっちゃうよね?」
 「どんなにおばかさんでも
  バニーはおかあさんのたからもの。」

 (略)

 「じゃあ おかあさんは ぼくがどんなこだったら
  いちばんうれしい?」
 「バニーはバニーらしくしてくれているのがいちばんよ。
  だっておかあさんはいまのバニーがだいすきなんですもの。」
 
 (おしまい)

 この絵本は実は「おねしょを止める魔法の絵本」と呼ばれています。
 この絵本をいまのように読み聞かせて寝かしつけるとおねしょがピタリと止まると言われています。

 子どもの問題の8割以上は愛情伝達不足で起こっています。
 愛情不足ではありません。愛情はあるのです。
 でもそれを1日1度ちゃんと子どもに言葉として態度として伝えているでしょうか。
 「そのままのあなたが大好き」
 どうかそれを毎日お子さんに言葉にして、態度にして伝えてあげて下さい。
 

 最後に「子どもからの3つのプレゼント」のお話をしました。
 愛する喜び、愛される喜び、愛する者どうしが共に暮らす喜び。
 それらに気づき、その喜びを受け取っていくことの大切さをお話ししました。
 
 一人ひとりそれぞれ違う100種類の詩をプレゼントしました。
 もしお一人お一人それぞれに心に響く詩を届けることができたならこんなに嬉しいことはありません。

 お世話くださった役員の皆様、本当にありがとうございました。
 またお会いできる日を楽しみにしています。



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 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

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      < 最近行った講演会 >

 2022年3月 ひめじ若者サポートステーション自立就職支援セミナー
 「無業状態の我が子の自己肯定感を高める7つの方法」 
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5131238/

 2022年2月 宮城県大崎市立古川第一小学校(オンライン講演)
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ』
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5129613/

 2022年1月 徳島県立人権教育啓発推進センター主催講演会
 「子どもの自己肯定感を高める7つの方法」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5128247/

 2022年12月 舞鶴市立加佐中学校区PTA教育講演会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124631/

 2022年11月 福岡県PTA連合会南筑後ブロック研修会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124364/

 2022年11月 三重県私立学校保護者会連合会研修会
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 2022年11月 舞鶴市立青葉中学校区PTA連絡協議会人権講演会
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 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5123967/

 
 

 
 

この記事を書いたプロ

長谷川満

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

長谷川満(家庭教師システム学院)

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