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宿題、提出物を出さない子供の将来が心配…親として理解してあげるべき心理と対応

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出産・子育て・教育
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家庭訪問や三者面談、そして通知表。先生から、子どもの評価を直接聞ける良い機会です。しかし、宿題や提出物をきちんと出せていない子どもがいる家庭にとっては、「提出物が出ていません」「忘れ物が多いです」など、耳の痛い言葉ばかり聞かされてしまいます。まるで、「親のしつけができていません」と言われているようで、恥ずかしく情けない気持ちになってしまうのではないでしょうか?こんな時、子どもにどういった態度をとるのがいいのか、どのような理解を示すのがよいか。子どもへの対応方法と心理をお伝えします。

年齢によって変わる?宿題、提出物を出さない子どもの心理とは?

【宿題をやっているのに提出しない理由】

宿題や提出物を出さない。この場合、一つは「宿題をやっているのに提出しない」、そして「そもそも宿題をやっていない、やらない」の二つが考えられます。やっているのに提出しない場合、単純に家に忘れてしまうのであれば、寝る前や学校へ行く前に子どもと一緒に確認してあげましょう。それだけで問題はほぼ解決します。しかし、学校へ持っていっているのに提出しない場合、解決は簡単ではありません。

宿題をきちんとやっていて、学校へ持っていっているにもかかわらず提出をしない。この場合、「たくさん間違っているかもしれない」「字が汚いなどで怒られるのが怖いから出さない」といったことが考えられます。小学生、特に低学年であれば過去に一度でも怒られた経験があれば、その可能性はゼロではないでしょう。この場合は、先生に直接確認することをおすすめします。

【宿題をしない子供の心理─小学生─】

次に宿題をしない子どもの心理について考えてみましょう。宿題をしない心理は年齢によっても異なる場合があります。まずは小学生ですが、「勉強が好きではない」「勉強するよりも、おもちゃや友だちと遊ぶことを優先する」「そもそも、宿題をやらなくてはいけないといった意識が薄い」「宿題を忘れても先生に叱られない」などが考えられます。

また、高学年になると「親に宿題はやったの?」と聞かれることに対する反発でやらないといったケースも少なくありません。

【宿題をしない子どもの心理─中高生─】

中学生になると、親に対する反抗心は小学生の時よりも強くなるため、親が「宿題(勉強)をしなさい」と言えば言うほど、意固地になってやらなくなります。また、中高生になると単純に「宿題をやりたくない」といった理由ではなく、「宿題をするメリットがわからないから、やらない」といった心理も働くようになります。

「すでに、自分が理解しているものをわざわざやるのは時間の無駄でしかない」「それよりも、自分が不得手なものや、興味があることの勉強に時間を使いたい」「自分が将来やりたいと思っていることと、宿題として出されている内容が直結していない」といった理由から、宿題にメリットを感じない子どもは多いでしょう。

ましてや、宿題をしなくても定期テストで問題ない点数を取っていれば、なおさら宿題をすることに意味を見いだせなくなります。

宿題、提出物を出さない子どもの将来

宿題は面倒くさい、それよりも遊びたい、宿題にはメリットがないなど、宿題をしない子どもの心理について見てきました。親としては「宿題をやらなければ成績が下がってしまうのでは?」「高校や大学受験で苦労するのでは?」と、不安でいっぱいになるでしょう。何度も子どもに強く言い聞かせ、普段から注意しているものの子ども本人は一向に反省の気持ちがなく、毎度同じことの繰り返しで「どうして?」と首を傾げたくなります。

「叱られるのがわかっているのにどうして宿題をしないの?」と尋ねると、ただただ宿題をするのが面倒らしく、字を書くのはもちろん、問題文を読むことすら面倒に感じている子どもは少なくありません。

「こんなに面倒くさがりで、将来、社会に出て仕事ができるのだろうか」と心配はつきません。ただ、冷静になって考えてみてください。子ども時代に勉強や宿題は全然やらなかったけれど、社会人になって仕事をきちんとできる人は、みなさんの周りにもたくさんいるのではないでしょうか。

これは、仕事はきっちりとこなせるのに、家の掃除や片付けができない人がいるのと同じで、勉強や宿題をしないことと仕事をする勤勉さは決してイコールではないようです。それゆえ、必要以上に不安や心配を抱え、それを子どもに向けないようにしましょう。親がそうした態度をとると、子どもはそれ以上に不安になってしまう場合もあります。

これを言ったら逆効果?親のNG対応とは

「子どもが宿題をやらなくても、それほど心配をしなくてもいい」、そう言われても簡単に「そうですか」とは思えないかもしれません。頭では理解したつもりであっても、宿題もやらずにテレビを見ていたり、ゲームで遊んでいたりする姿が目に入れば、文句の一つも言いたくなってしまうでしょう。

「やらなければいけないことも、ちゃんとできないなんて」と、親はそんな子どもの様子に腹が立ちます。しかし怒ってみても一向に改善されないばかりか、ガミガミ言いすぎて親子関係が悪くなるばかりです。

また、ここで言う文句の一つが子どもをさらに宿題から遠ざけてしまう可能性があります。具体的には、次のような言動はできるだけ控えるようにしましょう。

【子どもを焦らせてしまう言動】

「早く宿題をやってしまいなさい」「何でもっと早くやらないの?」といった言葉は、子どもを焦らせてしまうだけで何の効果もありません。
小学校低学年の場合、「なぜ、早くやらなければいけないのか?」といった意味がわからず、ただただ焦ってしまい、仮に宿題をやったとしても、怒られたからやるだけで頭にはまったく入りません。

【子どもを信頼していないような言動】

「どうせ今日も宿題をやってないんでしょ?」「宿題が出ているのに『出ていない』と嘘をついているんでしょ?」などの子どもを疑うような言動は、「どうせそう思われているのであれば、嘘をついてもいいや」と思わせてしまうことにつながります。

【親がスケジュールを決めてしまう】

そもそも計画通りに宿題ができる子どもであれば、自分でスケジュールを決め、計画的に宿題をします。そうでないから宿題をしないのであり、そうした子どもはスケジュールを見ただけで嫌気が差し、さらにやる気をなくしてしまうでしょう。
また、小学生の場合、スケジュール通りにできないことに罪悪感を持ってしまい、次からはスケジュールを見ることさえ嫌になってしまいます。

【宿題をやっている際につきっきりで指導する】

子どもが宿題をやっているあいだ常にそばにいると、問題の解き方や考え方がわからないときに、すぐ親に聞く癖がついてしまいます。いったん、そうなってしまうと親が忙しくてそばにいてあげられないと、宿題をやろうとしなくなってしまうでしょう。

ダメなところを完全に「受け入れてしまう」という解決方法

子どもを焦らせてはいけない、宿題をやらなくても信頼しなくてはいけない、子どものスケジュールを管理してもいけない、ちゃんと宿題をしているかチェックをしてもいけない。こう聞くと、もう子どもに対して何もしてはいけない、宿題をしなくても気にしてはいけないのだと思ってしまいます。でもそうなんです。何もしなくていいのです。

宿題をしない子どもに対して親ができるもっとも現実的でベストな解決方法は、子どものそのダメなところを完全に「受け入れてしまう」ということです。言い換えると、子どもを直そうとすることを諦めるということです。

「とんでもない!」とお叱りの言葉が飛んできそうですが、実際のところ親に子どもを変えることはできません。その子を変えることができるのはその子自身だけであり、その子の決意と覚悟だけです。そのためには親の決意と覚悟が必要なのです。

先生からしつけができていない親と思われても、気に病む必要はありません。子どものありのままを受け入れると同時に、「それでもなお、この子は素晴らしい子だ」と信じる決意をすることが大切です。これは生半可な覚悟や決意ではありません。でもだからこそ、それは親の真心や信実を表すものとなって子どもの心を変える力と成り得るのです。

三者面談で恥ずかしい思いをしたあと、帰り道で「恥をかくのも、先生に頭を下げるのも親の仕事だから。気にしなくていいよ」と本心から言ってあげることができたら、それは親である自分が決意と覚悟を持って変われた証であり、子どもの変わる決意や覚悟もそこから生まれるのだと思います。

もちろん、それでも子どもの決意や覚悟が決まらない場合もあるでしょう。でも、それでもいいのです。たとえそうはならなくても、親子の信頼関係を築ける良い機会にはなると思います。これは、非常に重要な第一歩となるでしょう。

親の無条件の信頼が、子どもからの信頼を育む

子どものダメなところを直そうとするのではなく、「あなたは大丈夫」と信頼していくところに親子の強い信頼関係が生まれ、その温かく信じ合う関係が子どもを自然に良くしていくように思います。

親から無条件に愛され、信頼されていると感じているなら、その子だってそれに報いたいと思うのは自然なことではないでしょうか。誰でも無条件に愛され信頼されたなら、その人の信頼に応えようとするのが人情です。それは大人でも子どもでも変わりません。

もしかすると無条件に愛しているよ、無条件に信頼しているよと伝える機会として、子どもは親に対してダメなところを表すのかもしれません。ダメな所がなければ、無条件に愛していることも、無条件に信頼していることも示しようがありませんから。

そして、その素晴らしい機会を私たち親は常に持っているのだと思います。

「宿題をやらない」「提出物を出さない」といった事実だけに目を取られがちですが、それは子どもが愛情・信頼を求めるサインと捉え、怒る前にまずは愛情・信頼を示すことから始めてみてはいかがでしょう。

長谷川満

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

家庭教師

長谷川満さん(家庭教師システム学院)

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