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磯部優子

お茶を通してくらしを豊かにし人の縁を結ぶ中国茶講師

磯部優子(いそべゆうこ) / 中国茶紅茶教室講師

香茶苑

コラム

春の訪れを感じさせてくれる茶「蒙頂黄芽」淹れ方

2020年4月4日 公開 / 2021年2月4日更新

テーマ:中国茶 のみ方

コラムカテゴリ:趣味

コラムキーワード: 中国茶リラクゼーションマインドフルネス

万物清浄明潔なれば、この芽は何の草と知れる也。
万物に生き生きとした気がみなぎってくる時期。
今年の清明節は4月4日。
4月5日の年が多いですが、今年は閏年なので4月4日。

中国のご先祖様のお墓参りをする日です。

亡くなられた方のご冥福を祈り、
新型コロナウイルスの感染拡大により
大切な方の命を落とされた方々へ心よりお悔やみ申し上げます。

蒙頂黄芽 茶葉

中国の多くの緑茶の産地では、
春分から今日の清明節までの草木が芽吹く時期に摘まれた茶を明前茶と呼んでいます。

四川省の黄茶「蒙頂黄芽」の淹れ方を紹介します。

可愛らしい一芽一葉の茶です。
西漢時代からの歴史あるお茶ですが、絶滅し1959年に復活した歴史的名茶です。
春分前後に摘まれます。

蓋碗をあたためた後、湯が入る量の六分の一の茶葉を入れます。

蒙頂黄芽 蓋碗

昨今の中国では、緑茶や黄茶も高い温度の湯が用いられるようになりましたが、
小さな葉の蒙頂黄芽は、やはり、温度を下げないと煮えてしまいます。
85℃くらいまで温度を下げた湯を注ぐと葉が潤い清らかな香りが立ちます。
ひとつひとつの芽が均一に膨らんで瑞々しいです。
黄色く明るい水色。
緑茶にはない悶黄の感覚と穏やかな甘みが感じられます。

蒙頂黄芽 茶杯

中国茶を学んでいらっしゃる方は、蒙頂茶として茶の歴史を学ぶ上で
是非味わっていただきたいお茶です。

こんな時だからこそお茶を味わい、心の平和を。

製造工程:採摘ー殺青ー初包(悶黄)ー二炒ー複包ー三炒ー攤包ー整形ー提毫ー烘焙
形状:扁平挺直、満披白毫
色澤:嫩黄潤
湯色:黄亮
香気:甜香濃郁
滋味:甘醇
葉底:嫩黄匀齊
産地:四川省名山縣蒙山

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