マイベストプロ静岡
鈴木寛彦

心に寄り添う漢方薬のプロ

鈴木寛彦(すずきひろひこ) / 薬剤師

有限会社むつごろう薬局

お電話での
お問い合わせ
054-247-6006

コラム

生薬の話 「橘皮(キッピ)」

2021年5月26日 公開 / 2021年6月23日更新

テーマ:漢方薬入門

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 漢方薬 妊活漢方薬 効果自律神経失調症 治し方




簡単にいうとミカンの皮を乾燥させたものです。ミカン科の常緑小高木、オオベニミカン(大紅蜜柑、福橘)、コベニミカン(余橘、朱橘)、ウンシュウミカンなどの柑橘類の紅熟した果皮です。あまり寒くない地方であれば、ミカンの原種、白輪柑子(しらわこうじ)を植えると良いです。白輪柑子蜜柑は最高級と言われています。橘の字のつくりの矞(いつ)は、2色の縁起の良い雲で、矞雲(いつうん)と呼ばれる雲があり、その意味を持ちます。矞雲は外が赤く内が黄色で煙や霧のようなひろがりをみせ、郁々紛々としています。橘皮も外側が赤く内側が黄色で、これを割るとかぐわしく紛郁としていて、矞雲と似ています。味は辛で、気は温です。柑橘特有の芳香、苦味とわずかに刺激性があります。神農本草経の中では上品(上薬)に分類されます。橘皮と同様にミカンの皮を乾燥してつくられた生薬に「陳皮」があります。陳皮は橘皮とほぼ同じものでありますが、元々は、長く保存されたもので陳久品が良いとされたところから付けられて陳皮と呼ばれました。現在は大きな区別は無いように思われます。
 橘皮は、健胃薬、胃の働きを整える働きがあります。また嘔吐、咳、痰に効果があります。そこから発展して、しゃっくりにも応用されます。心胸の気分を通じるようにし、滞りを破り、胸の痞えを散じます。橘皮を使用している漢方薬は、釣藤散、茯苓飲(原方)、鶏鳴散加茯苓などがあります。二味の薬徴として、橘皮・生姜の組み合わせは、横隔膜や上腹部の冷えによる緊張からくる吐き気やむかつきを改善する作用があります。心胸の気分を通じ、胃を温め、水の逆行をなくして、吐き気がしてムカムカする事や、吐き気はあるが何も吐けない症状、しゃっくり、気の滞りによる手足の冷えを改善します。

この記事を書いたプロ

鈴木寛彦

心に寄り添う漢方薬のプロ

鈴木寛彦(有限会社むつごろう薬局)

Share

関連するコラム

鈴木寛彦プロのコンテンツ