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婚外子格差の憲法判断 裁判外和解で訴えの利益なし ☆遺言・相続vol.7⑥☆

2011年3月14日 公開 / 2011年4月9日更新

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

こんにちは、司法書士 佐井惠子です。
今年には、嫡出子と嫡出でない子との間の法定相続分(嫡出子は、嫡出でない子の2倍)は、
法の下の平等を定める憲法に違反しているとして訴えた事件。
2010年7月、小法廷から大法廷に回付したことから、いよいよ違憲判決が下されるかと
話題になっていましたが、2011年3月9日、あっけない幕切れとなりました。

従来、これを定める民法900条第4号は、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整を図った
合理的な根拠があるとして、合憲という判断がされていました。

今回は、和歌山家裁審判、大阪高裁決定いずれも合憲と判断し、最高裁判所に特別抗告していた事件です。
ところが、裁判所は裁判官勢揃いで判断しようと意気込んだものの、
当事者が裁判外の和解をしていたので、訴えの利益がなくなったとして判断しない、
すなわち却下するとしたものです。

以前のコラム(http://mbp-japan.com/osaka/sai-shihou/column/5464)でも書きましたが、
同様な事情のある方には、裁判所の判断を待つまでもなく、
子どもさん方、それぞれの相続分あるいは相続させるものを、遺言で決めておいてください。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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