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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

古い家をリフォームするか建て直すか

2012年4月15日 公開 / 2012年9月29日更新

テーマ:【住宅再生】

コラムカテゴリ:住宅・建物

予算があれば、悩む事もないことですが、予算が少なければリフォームするか、建て直すかは大きな問題です。どちらが良いか、判断の方法は大きく二つあります。

【建物の築年数を考える。】

★昭和56年以前の住宅
原則的には建替えを勧めています。高度成長期の粗製濫造のなごりで、家として住宅ローンが終わる頃まで持てば良いと言う発想で家が建てられています。56年以前の建物は基礎の上に土台を直接載せている為、基礎と土台の接着面で結露が発生し、土台を腐らせる原因となっています。古い家を解体すると、お風呂周りは殆ど土台が残っていません。それに加え構造材を接合する金物が稚拙で、大地震に耐える事が出来ません。また断熱材も殆どの家では見られず、現在の住宅並みの性能を得ようと思えば、新築するのと変らないくらいお金が掛かります。

★昭和56年~平成14年以前の住宅
住宅金融公庫を利用している住宅でしたらリフォーム可能です。但し建物の寿命を延ばそうと考えれば、浴室・トイレ等湿気を呼ぶ部分のタイル貼りは木構造にダメージを与えている可能性がありますので、重点的に調査する必要があります。
一般に昭和56年以降の建物は新耐震制度に移行してからの建物で、安全とされていますが、木造住宅に限って云えば、引き抜き防止金物等をつけ始めたのは、平成14年以降です。公庫住宅の場合柱の引き抜き金物までは付いてはいませんが、筋交い等は金物で固定されある程度の信頼性を確保しています。

★平成14年以降の住宅
構造的に無理が無ければ、リフォームして建物の寿命を新築時点にまで戻す事は可能です。

【住まう人の年齢を考える】

★60歳以上の人
原則的にリフォームをお勧めしています。古い建物でも余程傷んでいない限りご本人の寿命以上に建物の寿命を延ばす事は可能です。新築ほど費用を掛けずに、老後の生活を快適に過ごそうと思うなら、自分に投資すつもりでリフォームすれば、快適な生活が送れます。
また、古い家と云うのは愛着もあります。今まで生きてきた人生の全てがその家に宿っています。自分を支えてきた家と共に暮らす事が、今後の老後の支えにもなってくれます。

★30代~50代の人
新築世代です。どうしても予算の関係で、中古住宅をリフォームする選択肢もありますが、まだまだ人生の先は長いものです。生涯のうち終盤でもう一度リフォームするか建て直すか悩む事になります。二度の大きなリフォームの出費は一度の新築の出費を上回ります。物理的に不可能であれば無理をする必要はありませんが、可能であれば新築をお勧めします。

★20代の人
中古住宅のリフォームを勧めています。結婚されて子供が生まれてと家族の構成が目まぐるしく変ります。家族の構成が変るごとに家に手を加えなければ快適な生活を送れません。中古住宅であれば、初期投資が少ない分改装に余裕が生まれます。子育て中は子供が家を荒らします。新築の家でも直ぐにボロボロになります。某内装メーカーの部屋を汚すCMはまだまだ可愛い汚し方です。若い世代の方の住宅は中古住宅を手に入れて、如何に自分達が住み良い家に出来るかを楽しむライフスタイルが合うかと思います。子育てがひと段落してライフスタイルが固定出来る様になってから、一生住まえる新築を目指すべきです。

JHLではリフォームか新築か、どちらが良いかを判断するマッチングサービスを行っています。
一般論だけでなく、ご相談者さんに特化したご事情も踏まえアドバイス致します。
お問い合わせはこちらから・・・https://mbp-japan.com/osaka/oado/inquiry/personal/

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