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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

ノースリッジ地震の地震波を用いての免震住宅の検証

2012年1月26日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:【免震住宅・地震対策】

コラムカテゴリ:住宅・建物

阪神大震災の前年、アメリカのロサンゼルスでノースリッジ地震が発生しました。阪神大震災同様に高速道路が崩壊し、多くのビルが倒壊しました。その地震波(増幅波)を用いて免震住宅の検証を行ったのが下のグラフです。



ネズミ色の大きく振れているのが地震波で2400galに達しています。青い波が免新住宅の二階床面で計測した地震波です。アメリカでは震度階はありませんのが、ビルが倒壊し、高速道路が崩壊していることから、震度7はあったものと推定されます。
横軸が時間を表していて、10秒以上に渡り激震が続いています。免震装置でも最大重力加速度は、阪神大震災時の計測と同様200galで震度4相当でした。

免震装置の大臣認定を取得する為には、実際の地震波を用いて実大実験を何度も繰り返し、安全性の検証を行います。
免震装置は基礎と上部構造物とを切り離すと云う、建築基準法では許されない構造です。それを合法的に認定してもらおうと思えば、そうしなければ安全性は検証されないのです。
東日本大震災以降、思いつきの様な免震装置が雨後の竹の子の様に、氾濫しておりTVやマスコミの話題となることがありますが、大臣認定を取得しようと思えば、数年の歳月と莫大な費用を投じなければなりません。
地震災害に乗じた、大臣認定を受けていない免震装置は、信頼性が無いばかりか、非常に危険でもありますので、採用前に必ず大臣認定の有無を確認して下さい。

阪神大震災の地震波を用いての検証はこちら
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/12549/

用語の解説はこちら
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/12572/

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