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遺言の撤回 ☆遺言・相続vol.9⑥☆

2012年4月6日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き


こんにちは、司法書士佐井惠子です。
遺言をした後、受遺者Aさんとの関係の変化により、遺言の内容を変更したいということもあると思います。
その際、注意してほしいことがあります。

公正証書遺言で、Aさんに不動産を遺贈するという遺言を残していたBさん。
最近、Aさんとの関係が上手く行きません。
不動産をAさんに遺贈することは撤回したいので、相談にのってもらいたいとのご依頼がありました。

遺言は、その作成のときに成立していますが、その効力は、遺言者の死亡の時に初めて生じます。
そのため、遺言者はいつでも自由に遺言の内容を変更できるのです。

その時、撤回した結果、その不動産は誰のものになるのか、
撤回するだけでは、相続人が遺産分割協議をする必要が出てきますが、それでいいのか、
あるいは、AさんではなくCさんに遺贈すると、新しく受贈者を指定することまでしておくか、
確認しておく必要があります。

Aさんが相続人の一人である場合、Aさんを含めてする遺産分割協議はハードルが高いですね。
遺言をしたことが、紛争の種を作ることになっては残念です。

ところで、遺言の撤回をするには、以下の方法があります。
1.後の遺言で前の遺言を撤回する。
2.後の遺言で前の遺言内容に反する行為をする。
3.遺言をした後で、その内容に反する行為をする。
4.遺言者が故意に遺言書を破棄する。
5.遺贈した目的物を故意に破棄する。

公正証書遺言を撤回するためには、自筆証書遺言でもいいのですが、
できれば公正証書遺言が安心です。

撤回した後、どうなるのか。そこのところ、慎重になさって下さいね。
今回は、相談して下さって良かったです。

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司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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