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コラム
ブロック塀の基準はこんなに甘い
2018年6月23日
鉄筋がRC壁の1/4しか入っていない
頑丈そうに見えるブロック塀で、実際に硬いコンクリートで出来ているのですが、地震に対してはその重さが災いして脆く倒れやすい構造になっています。上の図はブロック塀の鉄筋を黒い線で表したものです。縦横に80cmの間隔で9mm径の鉄筋を入れれば合法となります。
しかも、ブロックの基礎は高さに応じて根入れ深さ(地中に造る基礎の深さ)は定められていますが、鉄筋についての規定はありません。法律の文面通りに工事すれば、無筋の基礎でも合法なのです。
これは鉄筋コンクリート造の塀と比べ、あまりにも鉄筋の量が不足しています。
上の図は一般的な鉄筋コンクリート造の塀です。D-10と呼ばれる異形鉄筋を縦横20cm間隔で配置します。しかも基礎も有筋で立ち上がりと一体でコンクリートを打設します。
ブロック塀との鉄筋の量の差を比較してください。
建築基準法における、ブロック塀の構造の基準が甘すぎるのです。これを基準に問題ないか一斉点検したところで、基準そのものが甘いのですから、何の問題解決にもなりません。
ブロック造は鉄筋コンクリート造と同じくコンクリートで出来ていますから、一般の方が受ける印象は鉄筋コンクリート造と同じくらい頼もしく見えるかと思いますが、その頑丈さや重さに比べて耐震強度は著しく劣っているのです。
鉄筋コンクリート造でもこのくらい鉄筋を入れるのに、ブロック造が1/4の鉄筋量で良い力学的根拠は何もありません。数十年前に定められた法律が、地震の活動期に入ったとされる最近の実情を全く顧みる事無く、そのまま放置されているだけなのです。
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