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コラム
内断熱と外張り断熱
2012年6月1日
外張り断熱についてご質問がありました。
外張り断熱が注目された理由は、断熱材を構造躯体等で分断される事なく、建物全体をすっぽりを覆える事にあります。そのため施工が確実で、計算通りの効果が期待出来るのが大きなメリットです。
これは軽量鉄骨系プレファブ住宅にとっては効果が顕著に現れます。金属は他の素材に比べ遥かに熱を通しやすい為です。鉄の熱伝導率は83.5w/m・kです。木材は0.15~0.25程度と全く桁が異なります。
内断熱で断熱材を施工した場合の構造躯体による断熱部分の欠損は凡そ2割程度あります。その二割部分の熱伝導率が、83.5と0.15では大変な違いとなります。
ですので、鉄骨造では外張り断熱は効果があるけど、木造住宅では宣伝文句程の効果が期待出来ないのが外張り断熱かと考えています。
ちなみに、断熱材の平均的な熱伝導率は0.02~0.04程度です。外張り断熱は断熱材の外側に外壁の仕上げ材を固定する関係上厚みに制限を受けます。概ね40mm程度が厚みの限界です。最も性能の良い断熱材で外張り断熱を施しても、性能の悪い内断熱を80mm施せば性能は同じになります。
木造住宅の場合、構造躯体の断面欠損を考慮しても100mmの断熱材を施せば外張り断熱よりも性能は良くなります。
住宅の温熱性能は間取りや窓の位置、庇の有無と云ったトータルバランスです。決して断熱材の性能や内断熱・外張り断熱と云った工法で決まるものではありません。
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