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神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(かみのさき) / 社会保険労務士

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

コラム

【プロジェクト型 就業規則作成】イラスト入りの就業規則は有効か【実例比較】

2019年5月10日 公開 / 2021年2月26日更新

テーマ:いきいき職場づくり(組織活性)

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 就業規則 作成



就業規則にイラスト入りは有効か【実例比較】


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いくつか、イラストがある場合とない場合を比べてみましょう。

まず、厚生労働省がだしている「雛形」の就業規則です。

写真1

同じ項目に、「イラスト」を入れるとこんな風になります。

写真2

写真3

字体が違うということもありますが、
みなさんが「パッとみたとき」に読んでみようかなと思うのはどちらでしょうか。

このコラムでは何度も書いていますが、誰にも読まれない、
誰も内容を知らない、何かがあったときにしか引っ張り出されない就業規則は、
リスクヘッジという側面しか満たしていません。

もっと有効に活用するならば、自分たちの働き方はどうで、
自分たちが大切にする行動は何かを明確にし、社内だけではなく、
取引先様やこれから応募する方に対するアピールにも伝えていくことが考えられます。

そう考えると、「見向きもしない就業規則」ではなく
「みようと思う就業規則」は大変意味があり、イラストは大きな効果を発揮します。

また、懲戒や禁止事項などを書く場合も、イラストがあることで、
読み手がすんなりと受け入れることができたり、イラストでイメージしてから本文を読むので、
伝わりやすいというメリットもあります。

現に、イラスト入りの就業規則を見たときの社員さんは
「何これ!」と興味深くみていらっしゃることが殆どです。

ぜひ有効に活用されてみてはいかがでしょうか。

賛否両論?就業規則にイラストを入れてみた




例えば、みなさんの会社の就業規則に「イラスト」や「挿絵」、
あるいは「マンガ風のタッチ」が描かれていた場合はどのように感じますか?

弊社がイラスト入りの就業規則をお見せした時の会社様の反応は、まさに「賛否両論」です。

「ルールなんだから、こんなポップな印象はいらない」とおっしゃる方と、
「いいね!就業規則って、こんな感じでもいいんだ?これ、ウチもやりたい」とおっしゃる方。

「価値観がそれぞれだから」といえばその通りですが、なぜ意見が分かれるのでしょう。

言い方を変えれば、イラスト入りの就業規則は、みなさんの会社には適しているのでしょうか。

イラスト入りの就業規則を用いるかどうか見分ける視点




一般的に就業規則といえば、「第1章 総則、第1条(目的)」といった内容からスタートします。

文章の表現も、「●●してはならない」「●●しなければならない」といった、
法律がベースの堅い文章です。

もし、この堅い文章にイラストが入っていたとしたら…。

少し違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、例えば、書いてあることは少し硬めであっても、
文末がですます調(●●してはなりません、●●していきましょう)であれば、
少し柔らかい表現になり、イラストがあっても違和感はないかもしれません。

もう少し言えば、このサイトでも紹介しているように

「服務規律」ではなく「私たちが守っていくルール」
「懲戒」ではなく「仲間として許せないこと」

という表現に変えていったとしたら、イラストがあっても全く違和感はありません。

何が言いたいかというと、
御社の就業規則の意味づけによって、イラストの価値は変わるということです。

つまり、「とりあえず法律で定めてあるから仕方なく就業規則を作っている」という場合は、
イラストが入っていても意味がありません。

しかし、就業規則自体を、会社の魅力を伝えるツール、
あるいは会社一丸となるためのツールだと考えた場合(働き方改革のすべてがつまった就業規則。自分たちの働き方を体現するツールにする方法)は、
イラストを入れて、読み手の関心を引くことはとても意味があります。

御社の就業規則は、どんな位置付けですか。

あるいは、どんな位置付けにされたいでしょうか。

■まとめ

今回は、就業規則(働き方ハンドブック)にイラストを入れてみるということを見てきました。

イラストを入れる目的は次の3つです。

1.読み手の興味を引く
2.難しい・厳しい内容も受け入れやすくする
3.堅い内容をわかりやすくする

これらを踏まえて、イラストを入れたほうが良いかどうかは
「御社が就業規則を何のためにつくるか、備えおくか」という点にあります。

もし、社内の統制を図るという意味だけではなく、社内の絆を強め、
取引先や社外、これから応募してくる仲間に対するPRツールとして使うということであれば、
イラストは大変有効です。

プロのようなイラストではなくても結構です。

むしろ、社内で「絵を描くことが好きなひと」を連れてきて、
どこに、どんなイラストを入れようと考えるだけでも、
自分たちの働き方に興味を持つ一つのきっかけになります。

ぜひ、お試しください!

この記事を書いたプロ

神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設))

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