コラム
一 将の能にして・・・④ 勝因と敗因
2018年7月21日
4 勝因と敗因
楚漢の戦いの勝因、敗因は何であったのか?
「将の能にして、君の御せざる者は勝つ」とは、孫武(紀元前六世紀の人)の著書「孫子」の教えの一つです。
その意味は、戦争における将には、有能な者を使い、君主は、将のすることを制約しなければ勝つ、ということです。
この教えを、楚漢の戦いに適用してみますと、劉邦についた将は、能力の高い者が多く、劉邦は、彼らを何ら制約しませんでした。
その結果は、まさに「将の能にして、君の御せざる者は勝つ」を地でいっております。
一方、項羽についていえば、元は自軍にいた韓信や陳平の能力に気付くことすらできず、彼らを去るに任せています。
項羽は、用いておれば、本来自軍の有能な将となるはずであった彼らを、敵方の将にし、その者らの活躍で亡んでいるのですから、まことに皮肉な話です。
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