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価格と価額との違い

菊池捷男

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テーマ:不動産法(売買編まとめ)

価格と価額との違い
1,言葉の意味の違い
価格とは売主と買主の間で実際につけられた値段である。
 一方、価額は評価額をいう。固定資産税評価額などがある。

2,査定価格の意味
 では、宅建業者が通常使っている「査定価格」は、価格か価額かというとこれは、価額である。
宅建業者が付けた不動産の評価額なので、価額なのである。
ちなみに、宅建業者はどういう基準で「査定価格」を算出しているか?

3,査定価格の計算方法
宅建業者がする不動産の査定価格は、市場性に着目した取引事例比較法が一般的である。
この方法は、評価対象の不動産の状況調査をし、多数の売買成約事例を収集して、適切な事例を選択した上で、事情補正(特殊な事情の除去)、時点修正、地域要因、個別的要因の比較を行って価額を試算する方法である。

 この方法は公益財団法人不動産流通推進センターが作成したマニュアルが教えてくれている。
なお、同公益財団法人の【価格査定マニュアル】というのは、インターネットで検索すればすぐに分かることだが、
① 所有者からのヒアリング、
② 現地調査、
③ 査定者が目視したデータ、及び
④ 記録書類・証明書類の内容
を入力するだけで一応の「査定価格」を算出することができるものになっている。 ただし、複数の宅建業者に「査定価格」を算出してもらえば分かることだが、宅建業者が算出するそれぞれの査定価格は,多くの場合一致しない。
宅建業者が持っている資料や市場の読み方が一致する訳ではないからである。

4,レインズという市場
宅建業法が整備してくれている、指定流通機構(略称「レインズ」)がある。
宅建業者の数は、国土交通省発表によれば、2025年3月末日現在、国土交通大臣免許の約3100業者と都道府県知事免許の約12万8000業者合計13万1000超もいて、その大半の宅建業者はレインズに加入している。これら多数によるレインズの利用によって、多くの場合、価格がここで決まる。

5,そのプロセス
価格が決まるプロセスは、
➀ 不動産の所有者が不動産を売りたいと思い、宅建業者(例えば、A宅建業者)に媒介を頼むと、宅建業者のほとんどはレインズに加入しているので、A宅建業者は当該不動産の「状況調査」をした上で「査定価格」といわれる当該不動産の評価額を出し、所有者の希望を入れた売値(これは「登録価格」と言われるもの)でレインズに登録する。
② その登録価格は、レインズに加入している宅建業者(BやCその他)なら全国どこで宅建業をしていても瞬時に知ることができる。
③ ②の情報の入手を商機だと考えた宅建業者は、当該不動産を買ってくれそうな顧客を探索する。
④ その結果、顧客(購入希望者)が現れると、顧客と③の宅建業者はA宅建業者を通じて、所有者の同意を得て、当該不動産の「状況調査」をする(要は,下見に行くこと)。この「状況調査」は買い手側の状況調査であるので、①の売手側がする状況調査とは主体が異なる。
⑤ その結果、当該不動産を顧客が買う気になったときは、A宅建業者を通じて所有者との間で「価格」交渉をする。売主も買主も登録価格に拘束されないからである。
⑥ その結果、売買契約が成立すれば、そこに価格が生まれるのである。

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菊池捷男
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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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