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菊池捷男(きくちとしお) / 弁護士

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

要注意 宅建業者の義務違反が目に余る

2020年2月14日 公開 / 2020年2月15日更新

テーマ:不動産法(売買編まとめ)

コラムカテゴリ:法律関連

最近、宅建業者の芳しからざる話をよく聴きますが、本日の例もその一つです。
警鐘のため、事案の内容は伏せながら、宅建業者には、顧客に対する信義誠実義務があることを理解していただきたく、次の判例と裁判例をここに紹介いたします。

一 宅建業者が結ぶ仲介報酬契約の法的性格
最高裁昭和45年2月26日判決は、「宅地建物取引業法17条1項、2項は、宅地建物取引の仲介報酬契約のうち告示所定の額を超える部分の実体的効力を否定し、右契約の実体上の効力を所定最高額の範囲に制限し、これによつて一般大衆を保護する趣旨をも含んでいると解すべきであるから、同条項は強行法規で,所定最高額を超える契約部分は無効であると解するのが相当である。そして、売買の依頼をした売主が違約金を取得して売買が完結に至らないで終つた場合に、売主から媒介を依頼された宅地建物取引業者が報酬金を取得できる場合の報酬金額についても、宅地建物取引業法一七条一項、二項、昭和四〇年四月一日建設省告示第一、一七四号の適用があると解すべきである。」と判示していますので、宅建業者が売買契約の仲介をして得られる報酬は、売買金額の3%+6万円が限度になります。

二 宅建業者の脱法行為と売買契約
宅建業者は、この報酬規制を回避するため、売主から直接不動産を買い受ける契約を結ぶ場合があります。しかし、これは脱法行為になり許されず、これをすると不法行為責任が生じます。

福岡高裁平成24年3月13日判決は、「宅建業法46条が宅建業者による代理又は媒介における報酬について規制しているところ,これは一般大衆を保護する趣旨をも含んでおり,これを超える契約部分は無効であること(最高裁45年2月26日判決参照)及び「宅建業者は宅建業法31条1項により信義誠実義務を負うこと(なお,その趣旨及び目的に鑑み,同項の「取引の関係者」には,宅建業者との契約当事者のみならず,本件のように将来宅建業者との契約締結を予定する者も含まれると解するのが相当である。)からすれば,宅建業者が,その顧客と媒介契約によらずに売買契約により不動産取引を行うためには,当該売買契約についての宅建業者とその顧客との合意のみならず,媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり,これを具備しない場合には,宅建業者は,売買契約による取引ではなく,媒介契約による取引に止めるべき義務があるものと解するのが相当である。」と判示し、それに違反した宅建業者が売主から不動産を買い受け、これを転売した場合は、売主は当該宅建業者に対し、不法行為責任を問うことができ、宅建業者が転売で得た利益から、宅建業者が売買契約の仲介をしたときに得られる媒介手数料の上限金額(建設省告示第1552号で定める金額)を控除した差額の損害賠償義務があると判示しました。

三 監督処分に要注意
宅建業者が信義誠実義務に違反すると、監督処分を受けることもありますので、要注意です。

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