相続の限定承認をした場合の税金問題
1 国税の徴収権の消滅時効
国税通則法72条1項は、「国税の徴収を目的とする国の権利(国税の徴収権)は、その国税の法定納期限から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。」と規定し、同条2項は、「国税の徴収権の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。」と規定されていますので、国税の一つである贈与税は、法定納期限から5年間経過すれば、確定的に時効によって消滅します。
ただし、同法73条3項の適用がある場合、すなわち、「国税の徴収権で、偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税」の時効は、当該国税の法定納期限から二年間は、進行しないため、結局この場合は法定納期限から7年間は時効が完成しませんが。)
2 贈与税の法定納期限
贈与税の法定納期限は、相続税法28条1項により、贈与の年の翌年の3月15日です。
3 結論
ですから、贈与税が発生していた場合、贈与を受けた年の翌年の3月15日から5年間が経過した時に、確定的に時効によって消滅しています。
4 参考:相続税の法定納期限
相続税法27条1項は、相続税の納期限は、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月後になっています。