使用者のための労働問題 賃金を過払いしたときは,次の賃金から控除できる
誠実な団体交渉の意味
中央労働委員会は、令和7年2月3日付け「命令書」の中で、次のような判断をしました。
⑴ 誠実な団体交渉とは認め得ないケース
会社と組合との間でなされた団交の場で、組合側の者が会社の団交担当者の前まで行き、
①机をたたき怒声を上げたので会社が団交を打ち切り、
②団交の場として所轄の労働委員会に団交のあっせんを求めた
①+②は誠実な団交をしたことにならない。
⑵ 誠実な団体交渉をしたと認められるケース
しかしながら、その後、会社が
③複数回にわたる団交に応じ、
④その中には労働条件を決めるためには必ずしも必要とは思えない会社の数期分の決算書を開示するなど、組合の要求を受け入れたなどの姿勢をしめした
③+④は、誠実な団交をしたと評価できる。
⑤会社には組合の要求を受け入れなければならない義務はないので、
③+④+⑤は、団交が不成立に終わったとしても、誠実な団体交渉をしたと言える。
と判断をしています。
会社が団交をする際の参考になる「命令書」です。