コラム
一 将の能にして、君の御せざる者は勝つ① 楚漢の戦い
2018年7月18日 公開 / 2018年7月20日更新
これまで書いて来た「孫子」に関するコラムを、整理しました。
いずれ一冊の本にし、その第一章とするつもりです。
これにより、過去に書いた「孫子」に関するコラムは、非公開としました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一 将の能にして、君の御せざる者は勝つ
1 楚漢の戦い
紀元前200年より少し前の頃、中華の大陸に、楚漢の戦い(別名・項羽と劉邦の戦い)がありました。
項羽は、楚の名門の血を受けた武将。
秦末の動乱に乗じて叔父と共に旗を揚げ、やがて西楚の覇王と号するほどの実力をつけます。
まことに、万夫不当の勇士です。
一方、劉邦は、農民出身で、とくに取り柄というものもない人物でしたが、彼には家臣の忠言、諫言によく耳を傾けるという美点がありました。
この点は、項羽にはない美点でした。
2 劉邦の美点と項羽の違い
劉邦には、良き家臣が雲集しています。
まずは、張良です。
張良は元・韓の宰相の子。
祖国韓が秦に滅ぼされたことから、その復讐のため、始皇帝暗殺まで企て、逃亡中の者。
知謀湧くがごとき人物です。
彼は、劉邦に善言と諫言を奉じていきます。
劉邦は、秦の首都咸陽に攻め入り、秦を滅ぼしますが、張良の言に従い、略奪をせず、三世子嬰を殺さず、秦の始皇帝が築いた阿房宮にも入らず、じっと我慢をします。
それに対し、項羽は、その後咸陽に入城した時、子嬰を殺し、財宝その他を略奪し、阿房宮に放火したのです。
この阿房宮(前殿の一棟だけで東西800メートル、東西150メートル、その屋根の下には1万人の収容が可能な、他に比肩するもののない宏大かつ壮麗な建物)、火が消えるまで3か月かかったといわれるほどのものでしたが・・・
関連するコラム
- 弁護士と格言 蟹は甲羅に似せて穴を掘る 2014-03-14
- 弁護士の心得 専門に特化しながら、専門外から謙虚に学ぶべし 2015-01-05
- 弁護士の心得 根拠のない「思います」は禁句。根拠を示して答えるべし。 2015-01-01
- 弁護士と格言 口論乙駁は,コンセンサスを求める場にふさわしからず 2014-03-22
- 弁護士の心得 「できません」は禁句。「こうすればできます」で答えるべし。 2015-01-02
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。