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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

ウインストン・チャーチルに学ぶ③ イギリスの運命を決めた演説

歴史と偉人と言葉に学ぶ

2018年6月25日 / 2018年6月27日更新

3 対独戦とウインストン・チャーチル
(1) 海軍大臣になる
1939年9月対独戦が開始するや、人々の目は、当然、この日の来ることを一貫して予言し警告し続けてきたウィンストン・チャーチルに注がれます。そこで、チェンバレンは、政敵であるチャーチルを海軍大臣に任じます。

(2) イギリス政府、なおも、融和策
しかし、チェンバレン首相は、ドイツとの融和策を探り、戦端を開こうとはせず、「まやかし戦争」などといわれる状態が続きます。
この間、ドイツの進撃はとどまることはありません。
1940年になると、ドイツ軍はノルウエーを占拠し、1940年5月10日には、ベネルックス三国も、ドイツ兵の軍靴の下で蹂躙されます。

(3)ウインストン・チャーチル、ついに首相になる
事ここに至ると、チェンバレンでは解決不能の状態に陥りました。
同日すなわち1940年5月10日、チェンバレン首相は、辞任を決意し、後任の首相として外相のハリファックスにしたい旨ハリファックスに伝えますが、ハリファックスから拒否されます。
そこで、遂に、チェンバレンが最も首相にさせたくなかったウインスタン・チャーチルが首相になるのです。

(4)その時点における状況
この時の欧州の現状は、ナチスドイツにより、オーストリアは占領され、チェコはすでに存在せず、ポーランドは粉砕されてソ連とドイツが分け合い、ノルウエーは負け、デンマークはたった四時間で倒され、オランダも降伏し、ベルギーも白旗を掲げ、ドイツ軍は、フランスが築いたマジノ線を迂回してベルギーとフランスの間にまたがる、突破できないはずであったアルデンヌの渓谷を通って、パリに向かって驀進中です。フランスはあちこちの戦場で降伏しており、全面降伏(全面降伏は1940年6月22日)一歩手前という暗鬱な状況です。ムッソリーニのイタリアは、ドイツと協約を結んでドイツの同盟者になり、ロシアはドイツと独ソ不可侵条約を結び、ポーランドをナチスと分割する約束をしており、アメリカは第一次世界大戦によって、56000人以上(スペイン風邪による死者を含めると10万人以上)を死なせ、モンロー主義(不戦主義)の中に閉じこもり、参戦の意思はなく、この地球上でドイツの急降下爆撃機と怒濤の勢いで攻める戦車を阻める者は誰もいません。
イギリス軍は、といえば、欧州派遣軍30~40万人の将兵は、孤立して、狭く無防備なダンケルクの海岸で、ドイツ空軍によって機銃掃射と空爆を受けながら、撤退に向けて待機中という状況でした。

(5)イギリスの進路を決めたウインストン・チャーチルの演説
ウインストン・チャーチルが首相になって間もなく、イタリアのムッソリーニから、イギリス政府に対して、ドイツとイギリスと話合いを仲介したいとの意向が伝えられます。
1940年5月28日、この問題を討議するために、何回目かの戦時内閣が開かれました。
戦時内閣は挙国一致内閣です。
保守党からは、首相兼国防大臣のウインストン・チャーチル、前首相のチェンバレン、外務大臣のハリファックスと官房長官の合計4名、自由党からは党首1名、労働党からは2名、合計7名から成っています。
戦時内閣では、イギリスは戦うべきか、ヒトラーと取引すべきかについて議論になります。
もし、イギリスが戦争から離脱すれば、戦争自体が事実上終わりを告げ、世界中で何百万人もの命が救われるが、もし、イギリスが戦争を続けるならば、ダンケルクにいる将兵の大半が殺されるか捕獲されてしまうだけでなく、やがてはイギリス本土もドイツに攻められ、尊い人命や財産が失われる。だから、イギリスはドイツと話し合って戦争を止めるべきだ。というのが、チェンバレンとハリファックスの言です。
ウインストン・チャーチルの意思は、明確です。ドイツとは一切妥協をしない。戦う。というのです。
しかし、ここで、ハリファックスは、もしウインストン・チャーチルがドイツと融和しないのなら、自分は、外相を辞任するというのです。
その直後、ウインストン・チャーチルは、見事な手腕を見せます。
戦時内閣での会議を、休憩を理由に中断し、数時間後の再開を宣言したのです。
これを、チェンバレンとハリファックスは、ウインストン・チャーチルが考えを改める兆しだと考えたのですが、だれが知ろう。ウインストン・チャーチルの考えは別にあったのです。

この休憩時間に、ウインストン・チャーチルは、戦時内閣の閣僚以外の25名の閣僚全員を招集します。
そして、彼らに向かって、演説をぶつのです。
「私は、ヒトラーと取引をするべきかどうかを熟考してみた。
ヒトラーと取引をすれば、彼は、イギリスの艦隊を要求するだろう。
海軍基地も要求するだろう。
やがて、空軍もヒトラーのものになるだろう。
そして、イギリスには、ヒトラーの傀儡政府ができるだろう。
そうなれば、イギリスは、奴隷国家になるだろう。
諸君は、私が、一瞬でも、ヒトラーと交渉することや、ヒトラーに降伏することを考えたら、一人ひとりが立ち上がり、私をこの地位から引きずり下ろすだろう。
私は確信している。
名誉と歴史のある私たちの国イギリスが途絶えるのは、私たちの最後の一人が、地に倒れ伏した後であることを。」

このウインストン・チャーチルの演説は、25名の閣僚から万雷の拍手をもって、歓迎されます。
このことを知ったチェンバレンもハリファックスは、もうそれ以上はドイツと融和を図れとは言えず、ついに戦時内閣も、ドイツとの戦いを決意したのです。
映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」では、このあたりの様子、すなわちイギリスの運命を決めたこの場面が、最大の見せ場になっております。

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