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公用文用語  「しかし」 と 「ただし」 の使い分け

2014年10月19日

テーマ:公用文用語

コラムカテゴリ:法律関連

Q 私は,上司から,接続詞である「しかし」と「「ただし」の使い分けができていないといって,よく叱られます。その使い分けの目安を教えてください。

A 
1,接続詞の種類
接続詞には,次のような種類があります。
① 順接・・・前の文が原因・理由となり,後の文が結果・結論になっていく接続詞
  例 したがって,それゆえに,だから,
➁ 逆説・・・前の文から予想される結果とは逆の結果になることを示す接続詞
  例 しかし,しかしながら,にもかかわらず,
③ 並列・・・前の文又は言葉と後の文又は言葉を並列的に結ぶ接続詞
  例 なお,かつ,また,及び,並びに
④ 添加・・・前の文に後の文を付け加える接続詞
  例 そして,しかも,そればかりでなく,
⑤ 対比・・・前の文に書いたこととは,対比の関係になる接続詞
  例 一方,逆に,他方,
⑥ 選択・・・前の語句と後の語句を選択的に並べる接続詞
  例 又は,若しくは,あるいは,それとも,
⑦ 説明・・・前の事柄について説明する接続詞
  例 何故なら,というのは,その理由とするところは,
⑧ 補足・・・前の文を補足する接続詞
  例 ただし,なお,もっとも,ちなみに,
⑨ 言換・・・前の文を言い換える接続詞
  例 つまり,すなわち,要するに,
⑩ 例示・・・前の文の例を採り上げる接続詞
  例 例えば,いわば,
⑪ 転換・・・前の文の話題から離れて,新たな話題に結びつける接続詞
  例 ところで,さて,

2,「しかし」は,逆接の接続詞

「しかし」は,逆説の接続詞ですので,前の文から予想される結果とは逆の結果になる文に接続する場合に用いられます。例えば,「○○サッカーチームは,現在のところ我が国で実力トップクラスにある。しかし,昨日の試合では格下の××チームに負けた。」という具合です。

3,「ただし」は,補足の接続詞
「ただし」は,前の文を補足し,一定の条件,制限又は例外を設ける場合に使われます。
例えば,民法5条の「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし,単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。」や,民法9条の「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。」などのようにです。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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