コラム
公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
2014年7月9日
1,等
「等」は,一般には,同種のものを並べた上でそのほかにも同種のものがあることを表す接尾語として使われる言葉です。
例えば,地方自治法4条2項は,地方公共団体の事務所の位置を定める場合は,「住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない。」と規定しています。
ここに書かれた「等」は,「交通の事情」や「他の官公所との関係」だけでなく,それら以外の,住民の利用に最も便利であるようなもののことです。
なお,「等」と文字の読みは「トウ」です。常用漢字表には,「等」に「など」の読みは書かれていないのです。
2,など
「など」は「等」と同じ意味の接尾語として,また,ほかにも同種のものがあることを表す副助詞としても使われます。
後者の例としては,「彼の優秀さは,お前などの比じゃないぞ。」「彼などよくやっているよ。」「お茶などいかがですか。」などがあります。
参照:副助詞
副助詞とは,種々の語に付き、それらの語にある意味を添えて、副詞のように下の用言や活用連語を修飾・限定する助詞のことで,現代語では「さえ」「まで」「ばかり」「だけ」「ほど」「くらい(ぐらい)」「など」「やら」などがあります。
3,接尾語としての「等」と「など」の使い分け
とくにはありません。
法令用語として使う場合は「等」になっています。「など」は使われません。
しかし,公用文で「等」(読み:トウ)が硬い感じを与えると思われるときや「など」と読むときは「など」を書くことになります。
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