マイベストプロ岡山

コラム

弁護士と格言  人は,皆,いつまでも呉下の阿蒙に非ざるなり

2014年7月29日 公開 / 2014年8月16日更新

テーマ:歴史と偉人と言葉

コラムカテゴリ:法律関連

 呉下の阿蒙(ごかのあもう)とは,中華の大陸は,魏・蜀・呉三国鼎立の時代,呉国の武将,呂蒙のことです。
 呂蒙は,武勇には秀でたものの,学問はイマイチだったところを,国主孫権より,学問の重要性を教えられ,俄然勉学にも励み,知謀の臣,魯粛をして,「士別れて三日ならば、即ち更に刮目して相待つべし」と言わせたほどの,学問,教養の深さをもった人間に育ったのです。なお,余談ながら,呂蒙は,三国志で有名な関羽を敗死させたことから,人気はイマイチですが,その時代の呉国では,赤壁の戦いで勝利した周瑜,周瑜亡き後の呉の都督になった魯粛に次ぐ,3番目(あるいは陸孫に次ぐ4番目)の英傑とされている人物です。

 学問に限らず,世間を知るだけでも,人の蒙は開かれます。
己に,何かを誇るところがあれば,それは,まずもって井蛙の誇り(せいあのほこり)であり,人に成るには,まだ遠いというべきでしょう。

 何から学んだかは知らず,最近,人を知り,世間を知り,その語るところ,見るところ,えっ!と驚くほどの成長を見せた若者に会いました。
 過去には見られた,狭さと誇りに,変わって,広さと謙虚さを身に付けた若者です。
 勤めを感謝し,先輩,同僚,後輩に感謝し,己の能力が勤務先で十分生かせることを喜んでいる若者でした。
かつては,その時の不満を語っていたのに,今は,明日の希望を語るようになった若者でした。

 まことに,人は,皆,いつまでも呉下の阿蒙に非ざるなり,です。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

Share

関連するコラム

菊池捷男プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岡山
  3. 岡山の法律関連
  4. 岡山の遺産相続
  5. 菊池捷男
  6. コラム一覧
  7. 弁護士と格言  人は,皆,いつまでも呉下の阿蒙に非ざるなり

© My Best Pro