コラム
会社不祥事を起こさないために 4 内部監査体制の構築
2013年1月11日
⑴ 内部監査体制
2007年加ト吉、2008年GYL社に発覚した循環取引は、内部監査をしておれば、容易に発見できるものでした。会社が不祥事の発生を避けようと思えば、常時監査体制を敷くくらいの組織が必要です。
注:
加ト吉の循環取引事件とは、元本部長が関連会社を巻き込んだ大規模な循環取引を行い財務諸表を粉飾した事件で、損失額150億円、資産の評価減70億円と報道
GYL社の循環取引事件とは、同社子会社の営業所元所長が循環取引をし約75億円回収不能にした事件
⑵ 公認会計士の活用
2006年発覚の日興コーディアルの連結外し粉飾決算事件は、内部通報による証券取引等監視委員会による監査で発覚しましたが、専門的な知識がないとその違法性は分かり難いので、内部監査でも公認会計士が必要な場合があります。公認会計士を従業員として雇用しておくことも重要です。
注:
日興コーディアルの連結外し粉飾決算事件とは、日興孫会社とベル社を05年3月期の連結対象とせず、その一方で、ベル社の買収過程で得た株式利益の一部を決算に反映させた事件
⑶ 監査し易い環境を作ることも重要。
例えば、職場離脱制度(休暇の強制取得制度)の採用など。
⑷ 成果主義を採用している会社は、成果を挙げた従業員の成果の中味をとくに監査すること。
2002年三井物産子会社副社長のディーゼル車排ガス浄化措置実験データの改ざん事件の原因は会社の成果主義にあったとされ、この事件は、会社の内部監査で判明しましたが、当初は分からず、東京都も分からなかったため、時期が遅れ、損害額は大きくなりました。
注:
三井物産子会社実験データの改ざん事件とは、浄化効果のない装置を販売した3名が逮捕された詐欺事件
⑸ 独立した権限を付与
内部監査制度は、次の内部通報制度とリンクした、独立した(身分保障された)部署がすることが重要。
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