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コラム

講師という仕事をしているのは

2023年1月6日

テーマ:研修・セミナー

コラムカテゴリ:ビジネス

【私が講師という仕事にこだわるのは】

2011年に、当時勤めていたオリックスリビングを退職し、個人事業を始めた時、
開業直後に東日本大震災が起こり、社会は大混乱。

幸い関西に住んでいる私や家族は直接の被害はなかったんですが、
全国的な広告関連の自粛、物流停滞による影響もあり、営業活動にいきなり大きな痛手。

加えて、知人の紹介で請け負った人材育成に関する大きな仕事も、依頼料を踏み倒され、先行き真っ暗になりました。

それでも、個人のお客様からの老人ホーム探し依頼と介護保険外サービスの受注で細々と続ける中、
その秋、高齢者住宅制度が改正され、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住制度がスタートしたことが
大きな転機となりました。

制度の普及目的でサ高住を建てれば補助金がもらえるというふれこみに、
建設会社や土地オーナーさんが飛びつき、新規参入がどっと増えました。

ところが、介護事業の運営の仕方がわからないということで、そのサポートをしてほしいという相談が相次いだんです。

このおかげで、なんとか事業を続けることができました。

この時に、多くの高齢者住宅の経営運営に関わった経験が、今に生きています。

また、当時、副業としてある大手ヘルパースクールで講師業の仕事をさせてもらっていました。

それまでも、法人勤務をしながら講師はしていましたが、教え方についてはすべて我流。

そのスクールで初めて「シラバス」を使って講義をすることを学び、たくさんの志ある講師陣と一緒に仕事をさせてもらいました。

そこで、介護福祉士国家試験実技試験免除講習指導者にもなり、国家資格を目指す人たちを厳しく指導することもしていました。

あまりに厳しかったので、受講生からはけっこう怖がられていました。

現場で高齢者の身体生命に係る仕事をしてもらうため、国家資格を得てもらうためなので、こちらも真剣です。

その後、大きな案件を扱うことも増えてきて、スクール講師をやめて、事業サポートに専念することになったんですが、
当時指導させてもらった受講生さんが、facebookで私を見つけてくれて、今でもたまにメッセージをくれます。

「あの時は、なんて厳しい先生だと思いましたが、あの時の先生の言葉、今ではその意味がよくわかります。ありがとうございます」

というような。

今では厳しさにこだわらないですが、こだわっているのは「伝わる」ということ。

当時の受講生さんのように、その瞬間は理解できなくても、あとからでも伝わればいいし、
目の前で伝わればなおうれしい。

その瞬間、表情が変わる瞬間を目の当たりにした時、
私はこの人たちの人生が変わる瞬間に立ち会ったのかもしれない、この人たちに貢献できていると実感します。

5年前に平本式に出会い、介護関連の研修セミナーのコンテンツ構成も変えたし、
新たに子育てコーチングセミナーや、セルフコーチング、心理学のセミナーも提供するようになり、

そのセミナーの参加者から、

「セミナーで学んだことを実践して以来、子どもが変わった」「部下が変わった」「会社が変わった」という報告をもらえています。

変わったのはお子さんや部下や会社ではなく、実はあなた自身。

知識、技術、情報を伝えるだけの講義も悪くはないですが、
それらを使った未来を描いてもらい、その未来に向かって一歩を踏み出すキッカケになる研修やセミナーをやっていきたい。

人は変われる。

最期の日の前日まで変われる可能性がある。

一人でも多くの、変わる瞬間のキッカケをつくりたい。

「人の悩みはすべて人間関係である」とアドラーが言っているように、

コンテンツ、テーマはなんであれ、どんな組織であれ、自分との関係、相手との関係は変えられる。

だからこそ、とことん講師業にこだわりたい。

この記事を書いたプロ

太田英樹

介護業界をコーチングコミュニケーションで幸せにするプロ

太田英樹(株式会社インサイトハウス)

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