2021/02/04 大企業のガバナンスはどうなっているのか?
2021/04/08 美しい文とは、当て字を使わない文のこと
下記の文章は、私がかつて(2016年10月22日に)書いた文章である。
本日現在でも閲覧者数が多いので、菊池捷男のガバナー日記に記載しておく。
美しい文とは,分かりやすい文のこと
分かりやすい文とは,漢字固有の意味が生かされた文のことである。
1 国税庁のホームページに書かれた漢字と仮名の使い分け
財産の移転に関して、「①贈与を受けた」「➁土地建物を取得した」「③財産を渡す」「④財産をもらった」という動詞の使い方が見られる。
この中では,④の「もらった」だけが仮名で、その他の動詞は漢字で書かれている。
実は「もらった」も漢字「貰った」はあるのだが,「貰」は「常用漢字表」に搭載されていないため、使えず、そのため仮名で書かれているのだ。
それは、公用文の書き方基本原則の一つとして,「常用漢字表」に搭載されていない漢字を使うことはできないからである。
公務員以外の人も、「もらった」は仮名で書くべきであろう。
2.同じく国税庁のホームページに書かれた語であるが、「⑤税がかかる」「⑥税が課される」という語句がある。
ここで「かかる」が仮名で書かれるのは,適切な漢字がないためである。
動詞は漢字で書くのが原則だといっても,漢字のない動詞は仮名で書くしかないのだ。
「係る」など無理に漢字で書こうとすれば、当て字になってしまう。
3 判決文から
「①・・というべきである。」「➁反するものとはいえない。」という語句が見られる。ここでの「いう」「いえない」は,口を開いて言葉を発する「言う」の意味はないので、仮名で書かれている。
「③意思の表れとみるのが相当である」という語句のうちの「みる」も同じだ。 ここでの「みる」には目で「見る」意味はないため,仮名で書かれるのである。
「④相殺することはできない」という語句が見られる。
「相殺すること」の「こと」を漢字にして「相殺する事」と書くと間違いだ。「事」は具体的な出来事を指す言葉だからだ。
また、「できる」「できない」は仮名で書かれる。「出来る」や「出来ない」と書くと間違いだ。当て字の使用は、厳禁だ。
4.日刊新聞から
「市場競争にまかせる」 → この「まかせる」という動詞には,「任せる」=「委任する」「自由にさせる」という意味はないので、仮名で書かれている。
もし「市場原理に任せる」と書くと当て字になる。
「立候補することができることになった」という文が見られた。
新聞も「できる」「できない」は全て仮名で書いている。
「もっとも、首相が抱える課題は山積みだ」という文が見られ。
ここでの「もっとも」 を「尤も」と書くと当て字になる。
「首相が優位とみられる」 → ここでの「みられる」は目で「見られる」意味はないので、仮名で書かれている。