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コラム
2020/09/07 現代人にとっての多様性の意味
2020年9月8日
2020/09/07 現代人にとっての多様性の意味
私が、菊池捷男のガバナー日記を付けることで、学んだことの中に、我が国の、労働生産性や経済成長率の相対的(他の先進国比)低さや、日本の子供たちの国語力の低下などがある。
また、最初に市場を切り開いたという意味で使われる、スタートアップ企業の少なさがある。
アメリカに生まれたGAFA(ガーファ)といわれる企業群(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのこと)は、滄海変じて桑田となるごとく、何もなかったところ(蒼海)に、新しい市場(桑田)をつくったが、日本では、産業構造が一変するほどの企業群は、まだ生まれていない。
立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんの説くところ(「ロータリーの友」の2020年9月号「変態が改革する多様性社会」)からは、大いなる示唆を受けた。
GAFAなどスタートアップ企業で、成功を収めた人は、すべて若い人である。他人の成功体験をまねた人ではない。その発想は、独創的であるというだけではなく、その発想をやがては成功を結びつける、特別の才能(異能)の持主である。
ここから、言えることは、成功体験が作り出す、人はこうこうすべきであるという、他人の思想の枠組みまでを規定してしまうような固定観念は、新たな市場を開拓する人には有益ではないということだ。
言葉を換えて言えば、これからの成功者は、世間の規矩(きく)に嵌(は)まらない人、常識の枠には収まらない者ということになるのであろう。
そう考えると、人は、特にロータリアンは、他人に、あるいは息子娘に、自らの成功体験から生まれた固定観念を押しつける愚だけは犯すべきではないのであろう。
さらに、話を進めると、ロータリアンが、ロータリーとはこういうものだと、後進に教える教えにも、反省が求められる。
牢固として抜くべからざるバイアス(偏見)になっている可能性があるからだ。
我が身を省みて、今、そう思う。
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