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2021/04/20 公用文に学ぶ、漢字と仮名使い分けの原則

2021年4月21日

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2021/04/20 公用文に学ぶ、漢字と仮名使い分けの原則

文章を書く場合、漢字で書くか仮名で書くかで、迷われた人は多いと思われる。
そのような人は、公用文の書き方から学ぶのがよいと思う。
公用文は、行政の統一のためにも、言葉の使い方の原則を定めているからだ。
その原則は、平成22年11月30日内閣訓令第1号「公用文における漢字使用等について」に書かれているのだ。

1.漢字の使用は、「常用漢字表」(平成22年11月30日内閣告示第2号)による。ただし、専門用語など常用漢字にない漢字を書く必要がある場合は、ふりがなを付けることで、その漢字が使える。

2.実質名詞は漢字で書く。
「開ける」と「空ける」など同音異義語がある場合は、必ず漢字で書く。

3.形式名詞は、仮名で書く。
例を挙げると、次のとおりだ。
こと(許可しないことがある。)、× 許可しない事がある
とおり(次のとおりである。)、 × 次の通りである。
とき(事故のときは連絡する。)、× 事故の時は連絡する
ところ(現在のところ差し支えない。)、× 現在の所・・・
とも(説明するとともに意見を聞く。)× 説明すると共に・・
ほか(特別の場合を除くほか・・)、× 特別の場合を除く他・
もの(正しいものと認める。)、× 正しい物と認める。
ゆえ(一部の反対のゆえはかどらない。)× ・・反対の故・・
わけ(賛成するわけにはいかない。)× 賛成する訳にはいかない

4.代名詞は、原則として、漢字で書く。
俺、彼、誰、何、僕、私、我々

5.実質動詞は漢字で書き、補助動詞は仮名で書く。
ある(その点に問題がある。)× 在る × 有る
いる(ここに関係者がいる。)× 居る
できる(誰でも利用できる。)× 利用出来る
ない(欠点がない。)    × 欠点が無い
なる(合計すると1万円になる。) × 1万円に成る
・・・かもしれない(間違いかもしれない。)× かも知れない
・・・てあげる(図書を貸してあげる。)×挙げる(×上げる)
・・・ていく(負担が増えていく。)× 増えて行く
・・・ていただく(報告していただく。)× 報告して頂く
・・・ておく(通知しておく。)   × 通知して置く
・・・てください(問題点を話してください。)× 話して下さい
・・・てくる(寒くなってくる。)× 寒くなって来る
・・・てしまう(書いてしまう。)× 書いて仕舞う
・・・てみる(連絡してみる。) × 連絡して見る
・・・てよい(連絡してよい) × 連絡して良い
・・・にすぎない(調査だけにすぎない) × 調査だけに過ぎない
・・・について(これについて調査する) × これに就いて・・

6.副詞、連体詞も、原則として漢字で書く。
余り、至って、大いに、恐らく、概して、必ず、辛うじて、極めて、

7.接尾語は、仮名で書く。
げ(惜しげもなく)、
ども(私ども)、
ぶる(偉ぶる)、
み(弱み)、
め(少なめ)、

8.接続詞も、仮名で書く。
おって、かつ、したがって、ただし、ついては、ところが、ところで、また、ゆえに、

9.助動詞および助詞は、仮名で書く。
ない(現地には行かない。)× 現地には、行か無い
ようだ(それ以外に方法はないようだ。)× ない様だ
ぐらい(二十歳ぐらいの人)× 二十歳位の人
だけ(調査をしただけである。) × 調査をした丈である
ほど(三日ほど経過した。) × 三日程経過した

以上ぐらいを覚えておくと、分かりやすい文章が書けるであろう。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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