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2021/02/08 火蓋は切る(点火する)だけ 蓋を落としてはならない

2021年2月8日 公開 / 2021年2月12日更新

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2021/02/08 火蓋は切る(点火する)だけ 蓋を落としてはならない

昨日のこと。休みだったこともあり、アイパッドである催しのプライムビデオ映像を鑑賞していると、司会者が、「今、戦いの火蓋が切って落とされました」ときた。
しかし、このような言い方はない。
正しい言い方は、「戦いの火蓋が切られた」というもの。
大辞泉を開くと、「火蓋を切る」の訳として、「火蓋を開いて点火する。転じて、戦いや競争を開始する。」と書かれ、
用例としては、「選挙戦の-・る」が書かれている。
そのうえで、【補説】が設けられており、そこには「幕を切って落とす」との混用で、「火蓋を切って落とす」とするのは誤り。」と書かれている。
ちなみに、火蓋とは、火縄銃の火皿の火口を覆う蓋(ふた)のこと。
であるから、「火蓋を切る」とは、「火縄銃の火蓋を開いて点火の用意をする。また、発砲する」(『日本国語大辞典』小学館)ということだ。
火蓋は切る(開けて点火する)のが正しい。火蓋を落とすことは、火縄銃を壊すことになるので、落としてはならないのだ。
「幕を切って落とす」と混用するなかれ。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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