コラム
懲戒解雇と解雇予告除外認定
2020年3月17日
Q 従業員が不祥事を起こしたため懲戒解雇にしたいと考えております。なすべき手続を教えてください。
A
1,3要件が必要
懲戒解雇が有効であると認められるためには,
a就業規則に懲戒解雇についての定めがあること、
b懲戒処分時に処分の理由およびそれが懲戒理由になることを、使用者が認識していること
c懲戒権濫用ではないこと(相当性があること)(労働契約法15条)
の三要件(abc)が必要です。
2,従業員に弁明をする機会を与える手続が必要
懲戒処分をする場合、その前に対象の従業員に弁明の機会を与える必要があります。
3,予告解雇か、予告をしない解雇にするかの選択をする
労基法19条及び20条により,使用者は,労働者を解雇しようとする場合には少なくとも30日前にその予告をするか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。ただし,「労働者の責に帰すべき事由」が存在する場合で、所轄労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けたときはこの手続は必要ないとされています。
要は、懲戒事由は「労働者の責に帰すべき事由」になりますので、所轄労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けると、時間の節約ができます。また、就業規則の内容および懲戒事由の内容・程度によっては、退職金の支払義務が生じないなどのメリットもあります。
関連するコラム
- 使用者のための労働問題 就業規則を変更したときの附則の書き方 2014-10-11
- 使用者のための労働問題 性同一性障害者に対する態度 2014-04-04
- 使用者のための労働問題 賃金を過払いしたときは,次の賃金から控除できる 2014-08-31
- 労働 減給処分における減給額の制限 2014-03-09
- 使用者のための労働問題 普通解雇と懲戒解雇の違い 2014-08-25
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。